EPISODE3 クラス代表選抜戦〜その2〜
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。そして僕がオルコット財閥のことを言った時。その後のきみの声のトーンと視線が、少し下がった。情報はすくないけれど、これでも人間観察には自信のあるほうだから。まあ、ただの妄想と言われればそれまでだけど」
所詮は想像。現に彼女がそうだったとしても僕なんかとは背負っているものの重さの次元が違う。向こうは国と会社、しいてはオルコットという血筋を背負って。かたや僕はただ記憶の為に。
そもそもの理由が違うのだ。戦う理由も、何もかも。
だけど、僕にも譲れないものもある。勝ちに執着しているというわけではないが束さんからもらったせっかくの機体だ。彼女の自信作であるクラブに乗って勝てないのならそれは僕が弱いから。
証明してみたい。彼女の作ったモノの可能性を。確かめたい。自分がどこまで格上の相手に戦えるのか。
「・・・・変わった方ですのね。あなたのような殿方は初めてですわ」
「それは褒め言葉としてうけとってもいいのか?」
「構いません。・・・・さて、名残惜しいですがそろそろ終幕といたしましょうか?“ライさん”」
「ああ。そうだな“セシリア”」
ブルーティアーズが急上昇を始める。それを追って僕も機体を動かすがやはりビットに阻まれ動きが取れなくなる。上空からのスターライトmarkUの狙撃とビットによる揺さぶり。注意力を散漫させて隙をついての一射で終わらせる気だ。
だが、そうはいかない。
背後に来たビットを無造作な一射で射抜き、振り返りざまに右腕のハーケンを発射。迫っていた二基のうち一基を捉え、腕を振りぬいてもう一基に当てて破壊する。
毒づいて残りの一基を本体へと引き戻すセシリア。そこに付け入る隙が生まれた。
ビット兵器をエネルギー充填の為本体に戻すこの瞬間、彼女は無防備になる。幾度となくその瞬間はほかにもあったが決定的なまでの隙はこの瞬間だった。
この時、ビット兵器に集中させていた神経を戻すわずかな瞬間。散漫させていた集中力を戻すときに彼女はわずかに気を緩める。この時ライフルも少し銃口が垂れるため急なアクションに対しての反応が遅れる。
これが、僕が彼女に近づける唯一の瞬間。外部スラスターを全開にしてフルスピードで接近する。それに気づいたセシリアがすかさず銃口を向けるが―――――
「・・・・織斑先生、どちらに行かれるんですか?まだ勝負はついてませんけど」
「いや、もうついた。この勝負、蒼月に負けはありえない。私はすこし行くところがある故、少々席を外すぞ」
―――――MVSを逆手でグリップして銃口を切り飛ばす。ブルーティアーズよりも高く機体を躍らせ、背部にあるブラスターユニットの砲身を展開させる。
「チェックメイトだ。セシリア」
引き金
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