EPISODE3 クラス代表選抜戦〜その2〜
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視界の中で世界が逆転する。青い空が足元に、地面が頭上に見える。構えた可変式型ライフル“ヴァリス”の照準をターゲットであるコバルトブルーの機体に向けてあわせ、トリガーにかけた指に力を入れる。わずかな反動とともに打ち出された熱量の弾は空を射って敵機の右肩を翳めた。
「クッ・・・・!」
さすがは代表候補生。ガンナーということもあり回避と攻撃の駆け引きはかなり上手だ。
(なんなんですの!?先ほどから狙いは完璧なはず。なのに・・・・それなのに!)
放たれたビームを最小限の動きでかわす。右、左、そしてまた右・・・・―――――。
(これでは、まるで・・・・)
「亡霊・・・・だな」
「亡霊?」
「オルコットの狙いは確かに完璧だ。だが、それ以上に蒼月の回避能力が以上すぎるために奴の狙撃は当たらない。ビット兵器という最大の武器を用いているにも関わらずにだ。最小限の動きのみでかわしているから、戦っているオルコットからしてみればまるで亡霊と戦っているようなものだろう。なんせ、当たっているのに当たっていないんだからな″」
ビット兵器。ブルーティアーズの機体名にも用いられているその武装は彼女の主要だ。一対一で戦っているのに複数を相手にしているような錯覚さえ感じられる。
弾幕をなんとか抜けたと思ってもまたすぐに包囲されビットとライフルの嵐にあう。先ほどから距離をつめようにも詰められない。射撃戦では彼女の方に分がある。あまり長引かせて消耗戦になるのはできるだけ避けたい。
なんとかして攻略法を見つけなければ。
「・・・・見事ですわ。私とブルーティアーズの攻撃をこうもかわし続けたのはあなたが初めてです」
「それは名誉だな」
「・・・・一つ、質問してもよろしくて?」
チャンネルがいきなりオープンからプライベートに変わった。なにか周囲に聞かれるとマズイことなのだろうか?
「ああ。かまわない」
「あなた、本当に搭乗時間24時間未満ですの?」
「そうだ。僕が初めてISに触れたのも、ISという存在を知ったのも一週間前のことだ。搭乗時間に至っては一夏よりわずかに多いだけだ」
「・・・・存在を知った?」
僕の発言に違和感を持った彼女がその部分をチョイスして訊いてきた。
「僕には記憶がない。自分のことも、この世界のことも。なにもかも。だから僕は知りたいんだ。自分がなんなのか、その答えがISに触れていれば戻る気がする・・・・。きみからしてみれば不純な理由だろう。きっときみは僕なんかとは比べものにもならないほど大きなものを背負っている・・・・違うかい?」
「・・・・なぜ、そうおもうのですか?」
「教室で一夏がイギリスを侮辱した時
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