EPISODE2 クラス代表選抜戦〜その1〜
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す?」
「こう見えても得意です」
胸をはる山田先生。それならと束さんからもらったチェス盤と駒を出して。
「少し付き合ってもらえませんか?」
こうして、夜は更けていった。
◇
そして、クラス代表決定戦当日。一夏は訓練機に予備がないとのことで専用機である“白式”を受け取り、現在はその最適化と設定に追われている。その間、彼女との一戦を交えることになった僕は第二アリーナの東側ピットにて待機していた。
戦場の、ピリピリとした空気が肌を刺す。この感覚が心地よく感じられたのは、おそらく記憶を失う前はこのような状況に何度も、もっと言えば日常的に立たされていたのかもしれない。
自分でも驚くほどに冷静で。でも程よい緊張がある。思わず笑みがこぼれた。
《蒼月。準備はいいか?》
管制室から織斑先生の声が聞こえてくる。
「はい。極めて良好です」
《そうか。ならばいってこい。束の秘蔵っ子の実力、確かめさせてもらうぞ》
「ご観覧あれ。ブリュンヒルデ」
《・・・・蒼月》
「すみませんでした」
どうやら彼女のまえでは冗談を言うということを控えた方がよさそうだ。
通信を終えてクラブを展開する。視界が高くなり、僕の全身を装甲が包む。光の粒子が消えそこにはクラブを纏った僕がいた。
脚部のランドスピナーを展開し。スタート体勢をとる。目の前のカウントが青に変わり、僕は空へとその身を打ち出す。フロートユニットが両翼を広げて先にいた彼女と同じ高さに並ぶ。
「全身装甲(フルスキン)とは、ずいぶんとだいそれたものですわね。しかも機体名まで」
「僕としてもそう思ってるよ。でも案外愛着がわいてきていてね、そこまで悪くはない」
「フン。その余裕の態度、いつまで続くかしら?」
「きみこそ。やるからには勝たせてもらう」
瞬間、互いの銃口が交錯した
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