プロローグ
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これはわかるかな?」
なにもない空間にモニタが現れる。少し驚きながらもそれに映し出されているモノを見て何かの設計図だということに気が付いた。
「これは・・・・随分と高性能な機械だな。宇宙空間での活動でも想定されているのか?でもこれだと兵器と言った方が適当か・・・・」
「おお!」感想を述べていると最初のあいさつと同じボリュームで声が発せられた。耳が甲高い音にあふれる。
「不思議君にはこれがわかるようだね。さっすが束さん!記憶もばっちりだ」
うんうんと一人納得したようにうなずく束さん。なんともフリーダムな人だ。この人の友達はさぞや大変だろう。
「・・・・ちょっと待て。どういうことだ?」
“記憶もばっちりだ”。その言葉に言い知れぬ違和感を覚えた僕は目の前の作り笑いを浮かべる女性に問う。
「きみの記憶にね、この世界のことを転写したんだよ。きみを見つけたのはこのラボを作っているときだよ。棺桶みたいなものがでてきたから何かと思って調べてみたらきみが眠ってたのさ。もっと詳しく調べてみたらどの国のデータにも存在しないから束さんがいろいろいじくってみたのだよ」
語調は変わらないのに声のトーンだけで雰囲気がガラリと変わった。
「それにしてもきみホントにすごいよ。身体能力からなにからなにまで規格外でびっくりだらけだよ!きみをここまで仕立て上げた科学者はそうとうな腕前か、本物の“クズ”だね」
最後はまるで人が変わったように哀しい声のトーンだった。「それより!」乾いた手の平を打つ音が薄暗い部屋の中に響渡る。
「きみのことはこれくらいにして、実は試してほしいものがあるんだよ!」
強引に手を引かれて重い扉をくぐる。そこにはあのモニターにあった機械がわずかに差し込むライトの光を反射して静かに鎮座にていた。
「これは?」
「インフィニットストラトス。通称IS。きみの記憶の中にあったものの中にあったモノと似せてつくった束さんお手製の特性品だよ!」
誇らしげに胸を張る束さん。先ほどからの印象からだがまるで子供だな。
「で。これを見せてどうしたいんです?」
「ふふん、よくぞ聞いてくれました!これをきみにプレゼントだよ。でもその代りに機体を使ってみてのデータを送ってほしいのだ」
ようはテストパイロットをやれと。
「・・・・だがISは女性にしか動かせないんだろう?僕がやるよりはあなたがやった方が適任ではないのか?」
「さっそくこの世界の知識に適合してきたね」とこれまたご満悦そうにうんうんと頷く。
「そうしたいのは山々なんだけどこれ、普通の人じゃ動かすの困難になっちゃったんだよね。めちゃくちゃピ
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