第十二話 光の符号その三
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「それでも」
「だよな、先のことはな」
「大学には進むつもりだけれど。親がお金を出してくれるって言ってくれるし」
「あたしも。奨学金を横須賀の院長さんが用意してくれてるからな」
「だからなのね」
「大学に行ければな」
そうした成績なら、というのだ。
「行かせてもらって。けれど」
「そこから先はなのね」
「何になろうかね」
「スタントマンとか?」
裕香が最初に出したのはこの仕事だった。
「薊ちゃん元々運動神経いいのよね」
「ああ、自信あるよ」
「だったらね」
「スタントマンか」
「それかアクション女優か」
「どっちかか」
「そういう道はどう?」
こう薊にアドバイスするのだった。
「薊ちゃん殺陣とかも好きよね」
「ああ、特撮とかの」
「だったらどうかしら」
「そうだな、ちょっと考えてみるか」
「薊ちゃんの動き見てたらそう思うわ」
「どっちにしろ身体動かす仕事が向いてるだろうな」
薊は自分のことも振り返って言った。
「あたしは」
「そう思うわ、私も」
「ちょっとそっちの道で考えてみるか」
「それがいいわね」
裕香も薊のその言葉に頷いて応えた、そうした話もしてだった。
薊はあらためてだ、向日葵に言った。
「じゃあさ、これからはさ」
「このメンバーでよね」
「一緒にやっていこうな」
「宜しくね」
お互いに言葉を交えさせる、こうしてだった。
向日葵もまた薊達と共に戦い謎を解いていくことになった。彼女にしても友達が増えてしかも色々と協力してくれる者が増えたことはいいことだった。
それでだ、笑顔でこう言うのだった。
「それじゃあね」
「それじゃあって何だよ」
「うん、私達これから友達よね」
「ああ、そうなるけれどな」
薊は向日葵の言葉に少し驚いたがそうだと答えた。
「一緒に戦うし色々とやっていくしな」
「仲間とも言うわね」
「少なくとも話はして一緒にいるしさ」
「友達よね」
「そうよね、よかったわ」
向日葵はにこりと笑って薊の言葉に応えた。
「私お友達が一杯欲しいのよ」
「へえ、それは何でなんだ?」
「だってお友達が一杯いた方が楽しいでしょ」
だからだとだ、向日葵はにこりと笑って答えた。
「それでなのよ」
「賑やかなのが好きなの?」
裕香は向日葵の今の言葉を聞いてこう彼女に問うた。
「それでなの?」
「うん、私の家お寺でしょ」
今いるこの家のことも話す裕香だった。
「だからいつも人が来てくれるのよ」
「それでなのね」
「普通に。賑やかなのが好きになったの」
「お寺で育ってきたからなの」
「そうなの、逆に一人だとね」
「嫌なのね」
「流石に寝る時とかお風呂とかおトイレに入っている時は一人だけれど」
しかしだ、それ
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