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空を見上げる白き蓮 別事象『幽州√』
第二話 彼の思惑は彼女達の為に
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応同じ客将の立場だから上も下も無いし、こっからは敬語止めるけど許してくれるかな?」
「は、はい。全然構いません。っていうよりそっちの方が私も嬉しいです。さすがに年上の男の人から敬語で話されるのは……むず痒かったですから」

 うん。相変わらず俺の敬語はダメダメらしい。関羽に少しジト目で見られたけど放っておこう。歴史上の偉人だろうと、今は俺と同じ客将である事に変わりない。

「それと……ごめんなさい。白蓮ちゃんがそんなに無理してるなんて知ろうともしないで」

 素直に聞いてくれる劉備はやはり優しい子のようだ。劉備についてはこれから見極めていくとして、とにかく打開策を提示しておこうか。

「俺には別に謝らないでいいんだが……後で白蓮と話してみたらいいよ。民を救いたいのはいいけどとりあえず白蓮を救ってやってくれ。その為に……練兵とは別に、義勇軍の半分程を特殊な仕事に割り振らせて貰うけど、いいか?」
「特殊な仕事?」
「あ! お前……あの案件に組み込むつもりですね?」

 関靖は気付いたようで、その手があったかとポンと手を叩く。
 関羽も張飛も、これなら交互に練兵をしつつ適切な仕事にありつけるし、民の為にもなるから文句も出ないだろう。

「その通りだ。今、俺と関靖が進めている街の警備案件なんだがな、人手が全く足りないんだ。給金という面ではまだまだ薄くなるが、義勇軍をそのまま使えば食事と住む所くらいは保障出来る。駐屯所の設営から始めて、警邏、民からの相談事の受付け、道案内等々、様々な仕事を劉備殿の持つ義勇兵にさせたい。関羽殿と張飛殿はそのまとめを入れ替わりで行い、三日置きに練兵と警備を義勇軍の半分ずつで交互にして貰う。休日の割り振りは任せる」

 そのまま警備兵として慣れて、最後には正式に採用される事が最善。人は安全な方を選ぶ傾向が強い。戦場で死ぬ事を考えると、こっちの方を選ぶ奴が増えるだろ。それに誰かを守る仕事が出来るのだから、人を救いたいからと集まった義勇兵にもすんなりと受け入れられるだろう。仕事の無かった奴等が多い義勇兵なら尚更。
 兵見習いとして練兵を続けるよりも、街の警備隊という明確な目的を与えてやった方が気も引き締まる。
 まあ、警備隊になる前に間違いを起こさないように一度地獄を見て貰うが。その程度で逃げ出す奴は故郷に帰って貰えば手間が省ける。

「で、だ。劉備殿は城に籠って貰うってのはどうかな?」
「城に籠るとは?」

 訝しげに聞き返して来る関羽。張飛も可愛らしく首を傾げていた。
 対して関靖は、絶対に反対だというようにぶんぶんと首を振る。お前の好き嫌いなんざ知るか。自分の責任は自分で取らせろ。どれだけ時間が掛かっても、白蓮と劉備の関係を難しくしてもだ。そして白蓮は……きっと劣等感を持ってるから、乗り
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