第二話 彼の思惑は彼女達の為に
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々気づいていたのでは? 星が少し手伝っていると言っても、義勇兵の管理は大変でしょう?」
「劉備たちには既にギリギリの譲歩をしてますよ。劉備義勇軍では基本的に交渉の役目は関羽が担ってますから。役割分担適材適所、それぞれが出来る事をすすんでするってのが、劉備達のやり方ですからね」
その通りだというように苦い顔をした関羽を見て驚いた。義勇軍を本当の意味で動かしているのが関羽だとは思わなくて。
出来ない事を出来るようにしないと意味が無いだろうに。特に大将の成長は早ければ早い方がいいんだから。
「劉備殿は?」
「この街にいる間は集まった義勇兵を纏めさせて改築工事、筵作りなどの出来そうな仕事の指揮をさせています。劉備自体、筵作りの技術がそこいらの職人よりも凄いので……そこは重宝してますけど」
関靖らしい使い方だ。タダで養うつもりは無いから少しでも働かせる、といった所か。しかしどこか違和感があった。
――違う。指揮を取らせたのは白蓮の気遣いか。集まった兵と絆を繋がせ、指揮するモノとしても成長させる為に……義勇軍としてそのまま雇ったって事は、この方がしっくり来る。
「張飛殿は?」
「義勇軍との合同訓練と警邏くらいですね」
無意識の内にため息が出た。劉備達の扱いにしても、やはり白蓮は優しすぎる。
睨みつける関靖に対して、劉備が震えながら関羽に尋ねた。
「愛紗ちゃん……そんなに、なの?」
「……はい。公孫賛様からの支援はギリギリです。増えすぎた義勇軍は公孫賛様の兵に志願もしないので、特に食の問題は増えるばかり」
「じゃあどうすればいいのだ?」
「義勇兵の門戸は既に閉じているが、噂が独り歩きして志願者が後を絶たないので追い返し続けるのも……あと一月もせずに不信がカタチとなって見えるようになる。それだけ……」
劉備の影響が白蓮を越え始めてる……とは続けなかった関羽。
大陸が弱ってるのもあるが、劉備たちが旅をして名を広めてきたのも原因の一つか。友達という立場以上に、現状の民を救っているから太守としても表立っては文句も付けられない。これは早急に手を打たないと大変な事になる。
関靖をチラと見ると、当然何か策があるんだろうと……無かったら殺すというように殺気を込めて睨んできた。
ここで義勇軍を解散させる事は容易い。無理矢理公孫軍に組み込む事も出来る。しかしそれをしてしまうと白蓮に対して不信が膨れ上がり、友の絆を大切にしない不義の人、なんて事になってしまう。
――まあ聞いてろ。お前達が気付いてない第三の問題もある。劉備も関羽も張飛も、皆使って改善の方に向かわせればいい。
内心で呟いてすっと目を細めると、関靖はツンとそっぽを向いてしまった。一応期待はしてくれるらしい。
「あー、劉備殿。一
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