第二話 彼の思惑は彼女達の為に
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それは言わないでも――――」
「バカはお前だ。白蓮とお前の寝る時間の方が大事だ。どうせ昨日も無茶したんだろうが」
言うと関靖は言葉に詰まって俯いてしまった。白蓮の為にと無茶ばっかりしてるのに、ばれないとでも思ってたのか。
劉備のようなタイプの人間は、事実を知った方がより強固に縛り付ける事が出来る。扱い方さえ間違わなければ、湧き出てくる利は計り知れない。
人を扱うってのは言い方が悪いだろうけど、上下関係がある社会に於いては当たり前の事だ。白蓮と関靖の為に、ギリギリまで働いて貰おうか。
しかし……関靖から言った方がいいかもしれんな。
「どうしたん……ですか?」
不安そうに俺達を見ていた劉備達に、自分でも軽薄だと思うような笑いを返して、後に関靖を見据えた。
「いや、ちょっと真実の話をね。お前な、白蓮の為を想うなら言うべきだ。等価交換も基本だろ」
「くっ……白蓮様の心労の方が増えますよ」
「心労だけじゃなくてこのままじゃどっちもになるのは時間の問題だろうが。俺に寄越した簡易の仕事だけでもあれだけあるって相当だぞ。こんな状態で烏丸が攻めてきたらどうすんだよ」
「ぐぬぬ……つい使えると思ってお前に仕事を割り振った私の失態でした……分かりましたよ! その代わり、問題が発生したらその分はお前にも回しますからね! 覚悟してください!」
「構わんさ。俺の仕事が増えても、お前さんらの仕事が減るならな」
この腹黒が、というように恨めしげに見られるも、いつも通りにやりと笑ってやると、関靖は舌打ちを一つして劉備達の方を向いた。
共犯にしてしまったのは悪いが、白蓮の正式な部下のお前が言っておいた方がいい。白蓮のフォローは任せろ。少なくとも、お前が思ってるよりは机仕事になれてるからさ。
「一月前から言わなかった事を教えてあげます。劉備義勇軍が来てから、白蓮様の仕事量が増えたんですよ。それも膨大な量に」
「そんな! 白蓮ちゃんは懸念事項が減ったって言ってたのに」
「減ったモノに対して増えた分の方が多いって言ってんですよ桃色巨乳! 義勇軍の糧食調達も武器配給もどれだけ負担になってると思ってんですか! 外敵対策の練兵をしないとダメな兵も抱えているというのに、日に日に……帰ってくる度にも増えて行く義勇軍の管理だって、白蓮様がわざと手伝わせている星が居てやっとでしょう!? それに政務で白蓮様が出れないので幽州の民の評判はめちゃくちゃお前に傾くんですよ!」
絶句。愕然とした表情からは、きっと白蓮との等価交換が成り立っていたと勘違いしてたんだろう。
確かに人を助けたいっていう想いは大切だが、義勇『軍』を率いる上ではもうちょっと視野を広げて貰わないと困る。一番身近にいるはずの白蓮を苦しめていたんだから。
「関羽殿は薄
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