第二話 彼の思惑は彼女達の為に
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越えて欲しい。
「白蓮の仕事を横で見て太守のなんたるかを知るって感じだ。国を治める事がどれだけ大変かを肌で感じて、自分が義勇軍を立てた事でどれだけの影響が出て、何が必要で何が不必要かを自分自身で見極め、その上で出来る事をやればいい」
「劉備が白蓮様の所に入り浸るなら部下の反発が出ますけど、どうするんですか?」
「反発する前にお前と白蓮の仕事を多く押し付けろ。見てきたけど、お前と白蓮は細かい事まで自分達で解決しようとし過ぎだ。この程度の問題も決めかねるようなら降格、とでも言っておけば必死でするだろ。部下の誰が有能か無能かを隅々まで判別するいい機会にもなる。義勇兵に働き手を取られた村々から不満が出るのも時間の問題になってくるから、この問題は本腰を入れて解決しないとやばい事になるんだよ」
「……ふむ、部下達に通常の仕事をさせている間に義勇軍問題に取り組む、というわけですか。確かにそれなら――――」
ぶつぶつと考え込み始めた関靖を置いて、何故か驚いている劉備を見やる。
「劉備殿は白蓮と同じ私塾に通っていたんだろ?」
「はい。成績は……白蓮ちゃんの方が良かったですけど」
「なら出来る限りでいいから白蓮の仕事を手伝ってやってくれ。分からない事は調べ、考え、最後に白蓮に聞いて解決すればいい。俺も手が空いてたら手伝うし……どうかな?」
「……私が迷惑を掛けて、白蓮ちゃんに無理をさせてたんですから……なんでもします!」
権限的に、白蓮の仕事のほんの一部しか出来ないけど、とは言わない。
関羽も劉備の今後の成長に繋がると見て賛成の様子。
白蓮を近くで見て、白蓮を支えたいと思ってくれたらそれだけで成功だ。劉備、関羽、張飛がこの時分で白蓮の配下に加われば面白い事になるだろう。後に劉備が離れるとしても友好関係から盟を結んで置いて、今後の情勢に多大な影響が齎せるわけだし、現在の白蓮の負担も減るわけだからいい方向にしか転ばない。
問題は俺の仕事がかなーり増える事、か。まあ……気合でどうにかしよう。せめて頭のキレる政治屋が居ればしっかりと両者の安定を図れるんだが、ないモノねだりは無駄な思考だ。星は嫌だろうけど、白蓮の為に一緒に手伝って貰おう。後は関靖と一緒に白蓮を説得するだけ。
とりあえず思考を打ち切り、義勇軍がどうするかの案も決まったからと関靖に話を向ける。
「ってな感じになったが、どうだ? 俺が劉備義勇軍との繋ぎ役になればある程度の自由も効くし、お前にとっても動かしやすいと思うけど?」
「美しく気高い白蓮様の為に白蓮様の偉大な思いやりを蔑ろにする私はどうしたらいいんでしょうああもうダメです白蓮様成分が足りなくてこいつの思惑に乗ってしまいました今日の朝は昨日遅かったせいで白蓮様の掛け布をクンカクンカしてないですからそれのせいで
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