第五章 StrikerS編
第百六十七話 『外伝15 シホの入院生活』
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シホが一週間に渡る昏睡から目を覚まして一日が経過した。
九月も後少しで終わりを迎え秋の暦がやってくる季節。
とうのシホはと言うと……暇を持て余していた。
リハビリする程体力は落ちていないので、検査入院期間ということで明日には退院できるらしいが、従来シホは常になにかをしていないと落ち着かないのだ。
例えば家事だったり、鍛錬だったり、教導だったり、と……。
それでつい出てしまう一言。
「暇ね……」
「シホ、後一日の辛抱です。ですから我慢してください」
「ま、そうなんだけどね……」
アルトリアにそう言われ、かなり落ち着きがなかったのかと悟るシホ。
これも職業病故のものなのだろう。
体が動かせないなら投影魔術の修行でもしてもいい……? とアルトリアに相談してみたが、
「まだ魔術回路の方は完全には修復しきっていませんし安定もしていません。ですからなにか起きたら後が怖いですよ? ですから魔術修行も禁止です」
「奏者のしたい事は余も一緒にしたいが……奏者の体の方が大事だ。だから、手助けできず済まぬ、奏者……」
と、ピシャッ!とアルトリアに言われてしまった。
ネロも不甲斐ないと言わんばかりの空気が出ているから逆にシホも申し訳ないと思うほどであったという。
垂れ下がったシッポが見えたのは幻覚だろう。
そんな今にも少しずつ溜まっていくストレスでどうにかなりそうであったシホだが、そんな時に病室に来院の影が……。
扉がノックされた。
それで三人は反応をする。
「誰か来たみたいね。さて、この気配は……」
病室に誰か来たのかを当てるために神経を研ぎ澄ませるほどまでに、再三言うがシホは暇を持て余している。
果たして病室に入ってきたのは、
「やっほー。シホちゃん、元気かー?」
「やっぱりはやてね」
「思ったとおりハヤテでしたね」
「うむ。はやてだったな」
「な、なんや……? 私、なにかしてもうた……?」
三人の暇を潰す機会に使われたはやて、いと哀れ。
それはさておき、シホは姿勢を正して、
「さてっと、よく来たわね、はやて。何も出せないけどゆっくりしていってね」
「わかったわ〜」
シホの普段通りにはやてもすぐに順応して普通に受け答えをする。
これはもう十年来の付き合いだから当然のやりとりである。
それではやては予備の椅子に座る。
「そうだ。紅茶でもいれてこよう。待っておれ、はやて」
「あ、ありがとな。ネロさん」
それでネロは部屋を出ていった。
「……でも、一週間も寝ていたからあまり情報が入ってきていないのが辛いところね。ゆりかごを破壊してからいろいろあったんでしょう? スカリエッティ関連とか……」
「うん。そこんところは大体解決しているところやね。今もフェイト
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