第百七十七話 Willkommen zur?ck !!(ヴィルコメン ツーリュック)
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行のつもりで頑張るしか有るまい」
「そうですね。今回の捕虜交換で何とか帝国との和平、或いは休戦協定でも結べれば、早くに退役できるんですけどね」
「其処は、一緒に来てらっしゃる国務委員長閣下達の手腕に期待するしかないな」
「そうですね」
「まあ、取りあえず喰おう」
「ええ」
宇宙暦794年 帝国暦485年12月24日
■自由惑星同盟 ヴァンフリート星域〜イゼルローン回廊間 自由惑星同盟軍 宇宙艦隊総旗艦アイアース司令長官公室
「あと2日か」
「はい、艦隊は26日にイゼルローン要塞へ到着し2日かけ捕虜と拉致被害者の受け渡しを行います。其処で帝国側代表との調印式を行います」
「そうか、総参謀長御苦労」
「はっ」
捕虜交換についての話を終えたグリーンヒル総参謀長がロボス元帥の下から艦橋へ帰ると代わって参謀のフォーク中佐が入室してきた。
「元帥閣下」
「入れ」
「元帥閣下、ヤン、キャゼルヌ准将ですが両名とも外部との接触を取った形跡は今のところ無いとのことです」
フォークの報告にロボスは髭をさすりながら頷く。
「そうか、未だにシトレには連絡していない訳だな」
「残念ですが」
「フォーク中佐、貴官の策は大丈夫なのだろうな?」
「お任せ下さい、シトレ、ヤン、キャゼルヌには情報部長ブロンズ中将の特命で情報部の腕利きを張り付かせております故、何れ同盟軍の情報をヤンがユリアン・ミンツ経由で帝国へ流していたと如何様にもでっちあげられます。何しろ、何故か帝国側がヤンとキャゼルヌとの会談を求めて来ているのですから、その辺からも突っつけばシトレの責任を追及することが出来ます」
自分も名指しで会談を求められた事を無視して針小棒大にヤン、キャゼルヌの罪にしようとフォークは考えていた。
「そうなれば、イゼルローン要塞攻略の戦果と共に儂が統合作戦本部長へ就任する事に反対する事は誰も出来なく成るな」
「はい、今回の第6次イゼルローン要塞攻略戦における最大の戦果として帝国皇女捕縛により帝国に屈辱的な降伏を求める事に成ります。さすれば、ロボス元帥閣下の名は同盟史に燦然と輝く事に成りましょう」
フォークの心にもないお世辞に満更でもない表情のロボス。
「うむ、そうだな、此をバネに何れは政界進出を視野に入れねばならぬな」
「はい、その際には父も元帥閣下の支援に廻ると行ってくれておりますし、サンフォード先生も御自分の派閥へ是非にとの事でした」
「おおそうか、フォーク中佐、お父上とサンフォード先生には宜しく頼むよ」
「お任せ下さい」
そう言い、フォークは未だ今後のバラ色の人生を夢想してにやついているロボスを残して部屋を出た。
“フッ阿呆には阿呆なりの操縦法がある訳だ、まあこ
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