MR編
百三十五話 母と娘
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て来てたのか」
苦笑しながら、あの後どうだったのかとからかい調子に聞いてやろうと、リョウが彼女に歩み寄ろうとした……その時である。
「……あ?」
不意に、彼女の身体がフリーズしたかのように硬直したかと思うと、ポリゴン片となって虚空に消えた。空中に即座に、《DISCONNECTION》の文字が躍る。
「…………」
スデンリィの時と良い、死銃の時と良い、VR空間における回線切断に余り良い思い出の無いリョウは一瞬その場で立ち止まるが、即座に恐らく何かのちょっとしたトラブルだろうと思いなおす。
少なくとも、今のアスナに命の危険の有るような回線切断をする理由は無いからだ。
しかしだとすると……
「ふむ……」
小さく、リョウは唸った。
────
「…………」
明日奈は今、自宅のすぐ近くの道をとぼとぼと行くあてもなく歩いて居た。
絶剣の異名を持つあの少女に連れ去られ(別段嫌な訳では無かったがこれ以外言いようもない)た後、アスナはとても不思議な体験をする事になって居た。
あの少女は、名をユウキと名乗り、アスナに自分達のギルドの助っ人をして欲しいと言いだしたのだ。
……ギルドの名は、《スリーピングナイツ》。その目的は、ALOに置いて現在攻略中の超大型ダンジョン《浮遊城アインクラッド》の第二十七層ボスの攻略だそうだ。ただし、レイドを組まない単一パーティで。という縛りの下でである。
これがどれだけまともでは無い事であるかと言う事に付いて説明するには、先ず現在のアインクラッドのボス攻略戦に関しての事を話していかなくてはなるまい。
ALOの超大型ダンジョン。《浮遊城アインクラッド》のボスモンスターと言うのは、SAO時代のアインクラッドと比べると、「いや別ゲーだろwww」と言いたくなるような(実際元アインクラッド攻略組メンバーはそう思っている)トンデモない強化補正が掛けられている。
何しろSAO時代作戦さえきっちりしていれば一人の死者も出さずにクリア出来ていたボスモンスターが、此方の仕様では49人のフルレイドパーティでも全滅する危険性が往々にしてあるのだ。
当然、そうなると「死者を出す」と言う事自体がタブーだったSAO時代とは攻略のコンセプトが根本的に違う。前衛が死ぬのは前提で、ヒーラーを厚くして、全力で回復を行いながら何とか少しずつボスのHPを削って行くのを目標にする。
それでもしょっちゅう全滅の噂を聞くのだから、本当に相当だろう。
ちなみに、アスナはそれらの事を、件の「ナイツ」メンバーに丁寧に説明した。すると何と彼等、25層と26層のボスモンスターにも既に挑戦したのだと言うではないか。
ちなみに結果は敗北。まぁこれで勝利していたら、アスナはそもそもお呼ばれしないだろう。さて、しかしそれならば、実際に体験して尚、
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