第三十一話 初春さんと白井さんの仲
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かったのだから普通に声をかけたぐらいでは気付かないだろう。
「あれ? 神代君……それに佐天さんも。一体どうしたんですか?」
佐天さんがスカートめくりをするかどうかで迷っているような動きをしていたので、俺は普通に初春さんの肩をたたいてみたら簡単に気づいてくれた。
「う……初春ぅ〜!」
「き……きゃぁー!! 何するんですか、佐天さん!」
やっと気がついた初春さんに佐天さんが抱きつく……と見せかけてスカートをめくったので、初春さんはいつも通りに盛大な悲鳴を上げた。
「いや、初春さん。さっきも佐天さんからされてたんだよ。全然気づいてなかったけど」
「えぇーっ! 神代君も居るのに何てことするんですかっ!」
初春さんがまだ気づいてなかったときの事を俺が説明すると、初春さんは佐天さんを非難する。
「親友に挨拶するのに他の人が居るかどうかなんて関係ないじゃん」
「普通、挨拶するのにスカートはめくりませんっ!」
何かおかしい佐天さんの言い訳に初春さんが猛抗議をしている。まぁ、これで普段の初春さんに戻ったようだ。
「取り敢えず、だいたいのところは固法さんから聞いたから、車上荒らしの居場所を特定するの、手伝うよ」
「私も手伝うからねー」
「あ……ありがとうございます。神代君、佐天さん」
佐天さんが初春さんのスカートをめくることについて、最近ではクラス内どころか学校内でも皆スルーする方向でまとまっているので、この程度なら俺も完全にスルーして本題を切り出す。佐天さんも当然のように続き、何か納得のいかない様子の初春さんからお礼を言われた。
初春さんから捜査の進捗状況を聞き、これからの方針を固める。基本的にはコンピュータを使った情報収集が初春さんで、俺と佐天さんは書類関係の情報収集をすることになる。そして、なぜか俺は情報収集とは別に情報のまとめ役にもなっていた。
「初春さん、車上荒らしに遭遇した場所から3km以内で過去1ヶ月に起こった同じようなケースって調べられる?」
「はい」
初春さんに近隣で起きた同様の事件を洗い出してもらい、その件に関する資料を俺と佐天さんで調べる。また、その付近を根城とするスキルアウトなどの資料も片っ端から調べていき、今回の犯人の逃走ルートをいくつかに絞り込む。そして、そのルート上に設置された監視カメラの当該時間帯の映像から初春さんが犯人を見つけ出し、ついに犯人達の潜伏先を特定したのである。
「それでは行ってきます!」
「いってらっしゃーい」
居場所を特定したことで初春さんが勢い良く飛び出していき、それを佐天さんが普通に見送っていたのだが、どうしても気になることがある。
「ところでさ、初春さんだけで捕まえられると
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