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とあるの世界で何をするのか
第三十一話  初春さんと白井さんの仲
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 機嫌が悪いという部分にはちょっと引っかかったものの、初春さんがちゃんと仕事をしているようなので、安心して独り言のようにつぶやくと固法さんが答えてくれた。しかし、その答えにも何か引っかかるものがある。

「うーいっはるぅっ!」

「なっ!?」

 俺の考えとは関係なく、佐天さんはいつも通り初春さんにスカートめくりアタックを仕掛けて、それを見た固法さんがその瞬間に顔を赤くしていた。しかし、初春さんが全く反応しないのはどうしてなんだろうか。

「お、今日はクローバー? じゃー、幸せの四葉のクローバーはどこかなー? ……初春? どうしたのかな〜、ほらほら、めくってるよ〜、パンツみえちゃってるよ〜、絶景だよ〜」

 佐天さんも初春さんの反応がないので調子に乗ってパンツの柄をネタにしていたのだが、初春さんの反応が全くないことを不思議に思ったのか色々やってみるものの、それでも初春さんは全く何の反応も示さずただひたすら地図を眺めていた。ここまで来て思い出したが、これは白井さんと不仲になってしまったのだろうか、一応白井さんには常盤台の寮でこのイベント回避のための話をしたはずなんだけど……。

「初春どうしちゃったんですかぁー?」

「まー、白井さんと色々あって、ちょっとね……」

 困った様子で固法さんへ尋ねる佐天さんに、固法さんは頬を人差し指でかきながら答えていた。





「そんなことがあったんですかー」

「そういうこと。だから少し、そっとしておいてあげて」

 固法さんから簡単に説明されて佐天さんも納得する。初春さんは白井さんと一緒に監視カメラ設置準備の下見をしていたのだが、その時に車上荒らしを発見。応援を待つように言った初春さんを無視して白井さんが一人で突っ込み、犯人に仲間が居たことに気付かず白井さんは倒されてしまう。その時逃げる犯人を止めようとした初春さんはスタンガンで気絶させられ、気がついた後で白井さんから無茶をするなという説教をされたのだが、元々無茶をしたのは白井さんなのでそこから口論になったということである。

「だったらもう、いっそのこと、ジャッジメントなんか辞めちゃえばいいのに」

「ぶっ……ちょっとちょっと、無責任な事言わないでよ。ジャッジメントはアンチスキルと並ぶ学園都市の治安維持機関なのよ、勝手に放り出していいような仕事じゃないの」

「まぁ、初春さんはジャッジメントになりたくてあれだけ頑張ってたんだから、自分から辞めるなんて言い出すことは絶対になさそうだけどね」

 佐天さんの発言にコーヒーを飲んでいた固法さんが噴き出してしまい、周囲を確認しながら佐天さんに言い返した。それを聞いて俺も付け加えるが、佐天さんだって本気で初春さんに辞めて欲しいとは思ってないはずだ。


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