第三十一話 初春さんと白井さんの仲
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たのだろう。俺の場合は悪いほうの国語や英語が本当に全然駄目でも、良いほうの数学や理科に関しては何もしてなくてもそこそこの点数が取れるからだ。というか、何もしないから、そこそこの点数しか取れていないとも言える。
「じゃー、初春さんはジャッジメント?」
「うん、そうなんだよねー。まー、最悪の場合、初春のところに遊びに行って手伝ってもらうつもりだけど」
「仕事の邪魔でしょ!」
初春さんに頼もうとする気配すらなかったので聞いてみると、思ったとおりにジャッジメントの仕事があるようなのだが、佐天さんの答えに思わずツッコミを入れてしまった。
「今までもたまに初春のところに遊びに行ってるから大丈夫」
「遊びに行ってる時点で駄目じゃん」
初春さんも苦労してるんだなぁ。
「こんにちはー、初春居ますかー?」
「こんにちはー。佐天さんに連れられて来ましたー」
結局、無理矢理佐天さんに連れられてジャッジメントの177支部にやってきてしまった。補習プリントに関してはしばらく教室で教えていたのだが、佐天さんの根気が続かなかったようで俺まで引っ張られてきたのである。
「あなた、また来たの? ここは遊びに来るところじゃないのよ。ところで、こちらは?」
「クラスメイトの神代君です。それから今日は遊びに来たんじゃなくて……ジャーン! 補習プリントー!!」
佐天さんの後ろから中を覗いてみると何と言うか学校の社会科準備室と似た感じのイメージで、奥のほうには恐らく中に色々な資料が入っていると思われるダンボール箱が棚に並べられていた。佐天さんの後ろから部屋に入ると手前側には机が並べられていて、そこに居た固法さんから声をかけられた佐天さんは、俺のことを紹介しつつどこぞの耳なし青猫ロボットが便利道具を取り出すかのような仕草で補習プリントを取り出していた。
「あ……あなたねぇ……」
「あー、なんかすみませんね」
呆れたようにつぶやく固法さんに俺が謝っておく。
「まあいいわ。ところで、あなたも補習プリント?」
「いえ、俺は単なる付き添いですよ。最初は学校で教えてたんですけど、難しいから気分転換がてら初春さんにも教えてもらうって事で連れてこられました」
固法さんから俺の事を聞かれたので、ある程度佐天さんの心証が悪くならないように答える。
「それで、初春は?」
「初春さんならそこに居るけど、機嫌が悪いから今はちょっと……」
佐天さんが尋ねると、固法さんが顔を向けて答えてくれたので、そっちを見てみると奥のほうで初春さんが地図を開いていた。
「初春さん、ちゃんと真面目にやってますね」
「だいたいそうね。まー、今日はちょっといつもとは違うんだけど」
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