暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第7話 「ダークマテリアルズ」
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ことは何もないだろう。

「前半の負けがどうした。我と貴様が揃ったのだ、ちびひよことその一味なぞ恐るるに足らん。大差をつけてひっくり返してくれようぞ!」
「う、うん!」

 ディアーチェの励ましによってレヴィは元気を取り戻したようだ。
 普段はあの元気の良さにうっとしさを感じたりするが、元気がないとそれはそれで嫌だよな。元気のないレヴィは見ていて心配にしかならないし……っと、ふたりの視線がこっちに向いたな。

「大体ショウが真面目にやらなかったから悪いんだぞ!」
「おいおい、失礼だな。俺は真面目にやってたぞ」
「真面目にやってたら負けてないよ!」
「レヴィ、やめんか。ごちゃごちゃ言ったところで現状は変わらん」

 俺に詰め寄ってくるレヴィに制止をかけながらディアーチェは視線をこちらに向けてきた。彼女の瞳には、前半戦に関することで責めるような思惑は見えない。何かを促すような気はしないでもないが。

「悪いなディアーチェ」
「その謝罪はどっちの謝罪だ?」

 どっちという言葉に惑いを覚えた俺は、一瞬ではあるが理解が遅れる。それによってディアーチェは呆れた表情を浮かべ続けて言った。

「我が理解しておらぬとでも思っておるのか。さっさとせぬと後半戦が始まるぞ」

 真意を理解した俺はきっと驚きの顔を浮かべていたことだろう。そうでなければ、目の前の彼女が「我を誰だと思っておる?」と言いたげな微笑を浮かべるはずがない。
 ――さっきのレヴィへの言動もそうだけど、本当にディアーチェは人の気持ちを読み取ることに長けてるよな。俺がやろうとしていることなんて普通なら怒ってもいいはずなのに。

「……お前には敵わないな」
「ふん、伊達に長く付き合っておらぬわ」
「え? え? 何だかボクだけ仲間はずれにされてるような……」

 微笑を浮かべる俺達をよそにレヴィだけは困惑した顔を浮かべている。が、今は彼女に構っている時間はない。

「エイミィ」
『はいは〜い、どったのショウくん?』
「後半戦だけど俺は参加しないから」
『ほいほい了解……ええっ!?』

 さらりと承諾したように見えたのもつかの間、エイミィはすぐさま驚愕の表情を浮かべた。予想外の事態に今のような反応をしたのだろうが、何故かエイミィがやるとわざとやっているようにも思える。日頃の行いが大事というのは、こういうときに疑われないために言われているのだろう。

『ちょっ、これからさらに盛り上がるってところだよ。じょ、冗談だよね?』
「冗談じゃない」
『……マ、マジっすか?』
「マジだよ」

 俺が口を閉じるのと同時に、モニター越しに見えるエイミィはキョロキョロと周囲を見渡す。何をやっているのだろう、と見ていると彼女はぎりぎりまで顔を寄せて小声で話
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