第3章
月光校庭のエクスカリバー
第66話 またまた交渉します!
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子羊にお恵みを〜」
「天の父に代わって、哀れな私達にお慈悲を〜」
「お願いします、せめて食べ物を〜」
白いローブを着たお鉢を手に物乞いしている三人組の女性と「愛の手を」と書かれた紙を持って不機嫌そうにしている男性一人がいた。
「……普通にいました」
「……ああ」
「……何だあれ?」
さっきまでぼやいていた匙もなんとも言えないっと言う表情をしていた。
何故かアルミヤって人だけその場にいなかった。
「……なんて事だ。これが超先進国であり経済大国日本の現実か。これだから信仰の匂いもしない国は嫌なんだ…」
「……それ以前にさぁ、私達が浮きすぎてるせいじゃないの?周りの人達凄い怪しい人を見る様な目してるよ?…」
「……はぁ……何でこんな事しなきゃならねんだ…」
「……三人とも毒づかないで。路銀の尽きた私達はこうやって異教徒達の慈悲無しでは食事も摂れないのよ…」
「元はと言えばお前とユウナが悪いんだろうが!」
「ライニーの言う通りだ!お前達がそんな詐欺まがいの絵画を購入するからだ!」
ゼノヴィアが指差す方になんか明らかに偽物って言う感じの絵画があった。
「何を言うの!この絵には聖なるお方が描かれているのよ!」
「展示会の人もそう言ってたよ!」
「……じゃあ誰だよ?」
「……私には誰一人脳裏に浮かばないぞ?」
「……たぶんペトロ……様?」
「違うよパウロ様だよ!」
「どっちも違う!!全くお前達は………」
……なんか言い争いが始まった。
「……なあ、アイツらが教会から来た戦士……何だよな?」
匙がゼノヴィア達を指差しながら聞いてきた。
あんなのが教会から来た戦士って言われても信じられないよなぁ。
ぐぅぅぅぅ〜。
言い争いしてる四人から盛大に腹の虫が鳴った。
「……まずはどうにかして腹を満たさなければ…」
「……確かにこの有り様じゃあな…」
「……どうする?異教徒でも脅す?…」
「……イリナちゃん、物騒だよ…」
「……なら寺を襲撃するか?…」
「……それとも賽銭箱を…」
「……この際、やむを得ないだろ…」
「ちょっと皆!それ犯罪だよ!」
「……さっきからああだこうだ言ってるが、路銀が尽きた原因はお前の余計な買い食いも含まれてるんだぞ!…」
「うっ……だ、だって、日本の食べ物がとっても美味しくて……つい…」
「……食い気エクソシスト…」
「ちょっとライ君!その呼び方は止めてよ!」
「……事実だろうが?…」
「……なんだかライ君機嫌悪いね?もしかしてあの子に負けた事、根に持ってるの?」
「……そんな訳あるかよ、大食いエクソシスト。最近腹が出始めたんじゃねえのか?」
「ライ君のバカ!女の子になんて事言うのよ!」
ユウナって子とライニーって奴がまた口喧嘩を始め出した。
「何だと!異教徒!」
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