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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第48話 ネフテスに行った方が良い?
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 こんにちは。ギルバートです。ジョゼットを捕獲して一息つけるかと思いましたが、残念ながら考えが甘かったようです。カロンが持って来た書状を父上が読み上げているのですが、頭を抱えてしまいたい気分です。

 長々と書かれた書状を読み終わると、父上は溜息を吐きました。

 内容を簡単にまとめると、オルレアン公傘下のガリア貴族からマギ商会へ寄付を求める書状でした。送り主はガリアの貴族派で、シャルル派の中核を担う1人です。そこまでは問題ないのですが、オルレアン公の名前を使い要求して来た寄付額が問題です。

 ……5万エキュー

 一度だけならまだしも、毎年それだけ寄付しろと要求して来たのです。現在ガリアとの貿易で見込まれている収益は、軌道に乗ったとしても年間3〜4万エキュー程……如何考えてもありえない金額です。そしてあちらが、それを理解していないと言う事も無いでしょう。

「カロン。この書状の裏で動いているのは、誰か分かるか?」

 父上が問いかけると、カロンは頷きました。

「ガリア商人がマギ商会に対抗する為に同盟を組み、こちらに恨みがある貴族派を抱き込んだのだと思われます。書状の内容に関わらず、これを拒否した場合、王族の顔に泥を塗った事になります。ガリア市場からの締め出し理由にされるでしょう」

「それにオルレアン公が関わっている可能性は?」

 父上がジョゼットを一瞬だけ見てから質問しました。父上の視線に気付いたカロンは、首を横に振ります。……ジョゼットの存在を忘れてましたね。カロンらしくないミスです。余ほど慌てて居たのでしょう。

「ありえません。オルレアン公が塩の値段を高騰させる愚を犯すとは思えません。オルレアン公の署名が無いのがその証拠となると思います」

 断言しました。父上。ファインプレイです。送り主がオルレアン公傘下の貴族と聞いて、ジョゼットが泣きそうな顔をしていましたから。自分の父親が、恩人を裏切る人間とは思いたくなかったでしょう。(オルレアン公はその事を知らんけど)

 ちなみにガリアの塩の値段は少し前まで、かなり高い金額になっていました。ガリアの塩自給率が7〜8割程度で、不足分をクルデンホルフを通しゲルマニアから買って居たのです。王家は塩の値段を下げようとしますが、上手く立ち回る商人達の所為で一定以上下げる事が出来ませんでした。

 そこにドリュアス家から安価な海水塩が入って来る事になります。(父上がガリア国王との交渉を成功させた)更に、ゲルマニアで塩の値段を引き上げていた貴族が居なくなり、ゲルマニアの岩塩が値下がりしたのです。これによりガリア国内で暴利を貪っていた商人達は、大打撃を受けたのでしょう。そこに新興商会(ドリュアス家の後ろ盾付き)が参入して来るとなると、警戒して当たり前と言えます。

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