SAO編
第二章 曇天の霹靂
EX.1 崩れゆく決意
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
ちにひとつの結論をもたらした。
SAO虜囚者=遅かれ早かれ死ぬ。
つまり、東雲をSAOに誘った俺は――――《人殺し》。
それを聞いて俺自身も、少し納得してしまった。
このまま本当に東雲が――だったら、確かに俺は人殺しになってしまうのだろう。
仕方のないことだろうけど、しかし既に周りは俺のことをそう見ていた。
突き刺さる陰口。
間接的で遠回しな嫌がらせ。
――苦しい。辛い。
いやだ。此処にいるのが凄くいやだ。
だから、俺は一生懸命に勉強した。
猶予はたった一ヶ月ほどしかないけど、それでもやらずにはいられない。
――俺のことを知らない学校に…………行きたい。
そして俺は、隣の県の高校へと入学した。
入学式の翌日。
俺は高校一年として指定された教室へと入った。
元居た中学とは県を跨いだ所にある大きな高校だ。
偏差値も高く、俺が受かったことは奇跡に近かった。
それに、このぐらいレベルの高い高校に行けば、頭の出来の悪い不良なんて居ないと思った。
何より、此処に俺を知っている者は居ない。
同じ中学の人間が居ないとも限らないけど、それでも俺のことを知っている奴なんて居ないと思う。
――わかってる。
これは、《逃げ》だ。
俺は、俺に向けられた視線に耐え切れず逃げ出したんだ。
あの《犯罪者を見るような視線》に。
こんなんじゃ、東雲の■■に相応しい人間になるなんて、夢のまた夢だ。
くそっ。
最近、自己嫌悪してばっかりだ。
辛い。辛い。辛い。
このままじゃ発狂しそうだ。
せっかく俺のことを誰も知らないだろう場所に来たんだ。
心機一転で、今度こそ自分を鍛え直す!
……そう、都合の良いことを考えていた俺に罰が当たったんだろう。
『……ねぇ? ……あの男子……』
教室の端で、二人の女子の話声が俺の耳に届いた。
『うん……噂の《人殺し》……でしょ……』
「ッッ!!?」
なんで、それを?
どうして、この場所で?
俺は逃げられないのか? 逃げることは許されないのか?
また中学の頃のような状況を三年間味わうのか?
――嗚呼、東雲。
ごめん。ごめんよ。
お前に会わせる顔がないよ。
もう俺は――――心が、挫けてしまいそうだ……っ。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ