7部分:第七章
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の決断を下したのであった。
「よし、連載決定だ」
彼は言った。
「いいな、それで」
「わかりました」
皆それに頷く。こうして氏家の漫画は正式に連載が決定した。
担当は異例なことに峰崎自身が務めた。編集長でありながら彼は氏家の担当を自ら買って出たのである。これには会社の上層部も難色を示したが彼はそれでも自分がやると言ったのである。
「彼は何が何でもより完璧に育て上げます」
彼の原稿を見せたうえで言うのだった。上司のデスクの前に立って言う。それはまるで彼が実際に漫画に描かれている大魔神のようであった。
「だからこそ」
「やるというのだね」
「そうです」
強い声と顔で上司の問いに答える。彼は平の編集だった時の編集長で知った仲である。その彼に強い声で言うのであった。
「絶対に」
「引かないか」
「引きません」
またしてもはっきりと言い切った。
「何があっても」
「相変わらずだな」
上司はそんな彼を見てまずは苦笑いを浮かべた。
「頑固なものだよ、本当に」
「いけませんか?」
「いや、いい」
しかしそんな彼に対して言った。
「その頑固さが今まで支えてきたのだからな」
「それでは」
「ああ、いいぞ」
彼ははっきりと断言してきた。
「御前の進むままに行け。いいな」
「わかりました」
峰崎は会心の笑みになっていた。その笑みで上司に答える。これで全ては決まった。氏家を彼の手で育てることになったのであった。
「しかし。骨が折れる奴だよ御前は」
「すいません」
「謝るな、らしくない」
上司はこう彼に言い返した。
「昔の御前はもっと態度がでかかったろうが。肩で風を切ってな」
「じゃあ今も」
「そうだ。そのまま進め」
逆にハッパさえかけてきた。
「何があってもな。いいな」
「ええ。やります」
最早一抹の迷いすらなかった。彼はそのまま突き進むことにしたのであった。
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