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lineage もうひとつの物語
オーレン戦役
メイド達
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もりだ。
しばらくカーンティは考え込んだが首を振り却下した。

「いえ、アイスクイーン様を信じましょう。アニラ、ごめんなさいね」

「私も心配だもの。苛つくのも仕方ないかもね」

突然の謝罪にびっくりしたアニラだがカーンティの気持ちもわかり謝罪を受け入れた。

「私達に出来ることはここを住み心地の良い場所に保つこと。そうでしょカーンティ」

マラティの言葉に頷いたカーンティと二人は心配事を忘れるかのように仕事に集中していった。



居城へ戻ったボロボロになったアイスクイーンにメイド達は驚きアイスクイーンの元へ駆け寄る。

「アイスクイーン様!」

いつも帰還するときは事前に魔法による連絡がありメイド達は迎え入れ準備をしている。
その連絡もできないくらい消耗しているのだろう様子は痛々しいばかりだ。
メイド達はアイスクイーンの様子を見て治療を開始しようとするがそれを手で払い除け指示を出す。

「ここを封印するんだ!私が出られないようにしろ!」

勢いよく叫んだが突然頭を押さえ苦悶を浮かべながら言葉を吐き出す。

「間も・なく私は消える・だろう。術が完成次第おまえ・達はこの・場から撤退・するんだ」

最初は慌てていたメイド達だがすぐに封印術を行うべく準備にはいる。
そのとき人の姿であった4人は瞬時に氷の彫刻のような姿に変化をしていた。

通常、こういう場合は双方向において出入りの出来ない術を使う。
だが今回はアイスクイーンが出られないようにすることが目的であって人間の来訪を妨げることがないよう敢えて一方通行の術を組み上げた。
象牙の搭のウィザード達がやったような魔族のみ通さない術式は魔族にはできないための一方通行な術式。
瞬時に何があったのかを悟り一言も発する事なく一方通行の術式をくみ上げていく様は流石というべきだろう。
主従関係、横の繋がりがしっかりと信頼によって結ばれているのがよくわかる。
その忠実なメイド達ではあったが命令の後半部分については実行しようとしていなかった。
結界の外側である居城になっている正方形に近い大広間の入り口に一人が立ち、残り3人も残りの壁に立つ。
丁度4人で部屋を囲う形になっていた。
そして中の3人各々が背後の壁に陣を描き、入り口のメイドは入り口を塞ぐ様に空中へ陣を展開する。
4人は魔力を高め合図もなく同時に魔力を開放した。
大広間全体が淡く光り輝き何も見えなくなるほどに光が充満した。
光が落ち着き封印式が完成し最後の仕上げへと入る直前、アイスクイーンは力を振り絞り周りを見渡した。


こっちの世界に来てからずっと、魔界に絶望し人間と暮らすようになってから数百年一緒に暮らしてきたメイド達
彼女たちには世話になったな
どうか人間界で自由に暮ら
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