家族が増えるよ、やっt
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がら黒歌の頭をゆっくりと撫でてやる。
「よく頑張った。だから泣け。ずっと誰にも頼れなかったんだろう。弱い所を見せれなかったんだろう。大丈夫だから。白音には聞こえない様に結界を張っているから泣いている姿を見るのは、お兄ちゃんだけだ」
「……お兄ちゃん」
「今までよく頑張った。これからも白音の事を守ってやれ。代わりに黒歌の事はオレが守ってやる」
「お兄ちゃん、お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃん、うにゃあああああああああん、うにゃああああああああん!!」
一度泣き始めた黒歌は大声を隠す事なく、体中の水分が無くなるのではと思う位に泣き続けた。どれだけ時間が過ぎたのかはっきりとは分からないが、泣きつかれて眠った黒歌をマントで包む。布団で寝かせようにも服に爪が食い込んでいて離せそうにない。それに今は黒歌を手放したくはなかった。
銀術士の言う様に、オレは寂しかったのだ。前世でも親からは独立したとは言え、連絡はよく取っていたし正月や盆には顔を見せていた。今は何かの用事の時位しか会う事はなく、その時すらまともに顔を合わせない肉親との関係にオレは疲れていたのだろう。黒歌達を保護してからの短い期間ではっきりと自覚する程に。
今は、この温もりを手放したくない。明日からは、また頼れる兄として頑張ろう。だからたまにで良い。お前達の、家族の温もりを感じさせてくれ。
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