家族が増えるよ、やっt
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嬉しくてな。本当の兄妹になることは出来なくても、それに近い関係になれるのを真面目に考えた結果だ。別にオレ自身は眷属にしなくても良いと思っているんだが、オレは悪魔の中で悪目立ちし過ぎているからな、二人を守る為には眷属が一番良いんだ」
「ゼオンおにいちゃんと一緒に居られるなら良いよ。ねっ、お姉ちゃん」
「……」
「お姉ちゃん?」
「即答する必要はない。正式に眷属に出来るのも最低でも2年程先になる。だからそれまではオレの眷属候補を名乗れば無理矢理眷属にされる様な事もない。それに眷属にならなくても傍に居るのは全然問題無い。問題無いんだが、周囲の事を考えると眷属で居てくれた方が守りやすい」
「……わかったにゃ」
「強制はしたくないんだがな。すまない」
「別に良いのにゃ。即答出来ないのは私の方に問題がある事だから」
「……まさか、いや、何でもない。それより、今日は何をしたい?」
なんとなくだが、黒歌がオレを警戒していた事と眷属の件を即答しなかった理由が透けて見えた。多少強引だったが話を変えて今日の予定を決める。
その日、黒歌は山で遊びながらも何処か上の空だった。白音が心配そうにしていたけどなんでもないと言って無理に笑っていた。その日の深夜、オレは眠らずに縁側で待つことにした。そんなオレの傍にそっと黒歌がやってきて、そのまま胡座をかいている上に乗ってきてオレに抱きついて甘えてきた。オレは黒歌を抱きしめて耳元で囁く。
「お前達が両親と離ればなれなのは悪魔の所為なんだな」
その言葉に黒歌の身体が跳ねる。やっぱりそうだったか。
「オレの同族がすまない」
「ゼオンが謝る必要なんてないにゃ。悪いのは、あいつらだから」
「……話したくなかったら話さなくても良い。何があったんだ?」
しばらく待つと黒歌が少しずつ話してくれた。
「昔はお父さんやお母さんと一緒にここみたいな家に住んでた。本当に、今みたいに楽しかった。だけどあの夜、お父さんとお母さんが怖い顔をしてて、お母さんが私と白音を連れて山の中に入って、少しした後に大きな音と振動が来て、お母さんが私達に猫の姿になる様に言って、迎えにくるまで隠れていなさいって、でも、朝になっても迎えに来なくて、白音が寝ている間に家に戻ったら、大きな穴があるだけで、誰も居なくて、だけど何があったのかは分かった。だから、白音を連れて逃げて、逃げて、逃げ続けた。だけど、中途半端な力しかなかった私達は1年位が限界だった。そして白音が倒れて、私も駄目だって諦めかけた時に白い布に包まれた」
「そうか。何度頭を下げても許される事ではないだろうが同族がすまない。それから、よく頑張ったな。偉いぞ、さすがは白音のお姉ちゃんだ」
そう言いな
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