家族が増えるよ、やっt
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んて、その雑な部分を細かく操作してるだけなんだよ。雷に関する知識を深めて、性質を学んで、後はそこに後付けのイメージを乗せてるだけなんだよ。回復魔法は強引だけどな」
そうなんだよ。ちょっと理解するだけで魔法の威力は上げれるんだよ。なんでそれを怠るんだよ。さすがにバアル家の滅びの魔力みたいな物はどうやれば鍛えられるのか分からんがな。
その後も愚痴の内容が色々と飛んだ覚えだけはある。結構な本数の日本酒を飲み、意識が飛びかけになっている時に銀術士の言った言葉だけははっきりと残っている。
「あの子らは兄ちゃんを信頼しとるんや。だから素直に話してみ。それだけで大丈夫や」
「……ちゃん、ゼオンお兄ちゃん」
身体を揺すられながら耳元に白音の声が聞こえる。頭痛のする頭を抱えながら身体を起こす。時計を見るととっくに起床時間を超えていた。頭痛がするのは二日酔いが原因だな。正面には机に突っ伏す様に寝ている銀術士と酒瓶が見える。
「すまんな白音。今朝食を作ろう」
「朝ご飯は黒歌お姉ちゃんが昨日の魚を焼こうとしてる」
それを聞いて急いで台所に向かう。さすがに黒歌に火の扱いをさせるのは早い。
「黒歌、オレが作るから良いよ」
「おはようにゃ」
「おはよう。火の扱いはまだ早いぞ」
「うにゃ〜、でもお腹が空いたから」
「それはすまん。寝坊なんてかなり久しぶりだからな。すぐに用意するから白音と一緒に待っていろ」
腸は既に取り除いてあるので軽く塩をふってから火に掛け、豆腐の味噌汁を作り始める。ご飯は晩酌の前にタイマーを掛けていたから問題無く炊きあがっている。あとは卵焼きでも焼けば良いだろう。味付けは、砂糖を入れた甘いのでいいだろう。出汁の繊細な味は子供の舌では分からないだろうからな。
手早く人数分の朝食を用意してお盆に乗せて食卓に運ぶ。白音と黒歌は行儀よく席に着いて待っている。配膳を済ませてから手を合わせる。
「「「いただきます」」」
一口魚を口にした時点で気付く。やはり二日酔いの状態ではまともな料理は出来んな。味付けがいつもより濃い。二人も気付いたのか微妙に眉をひそめている。
「昨日、何かあったのかにゃ?」
「あの人になにかされたんですか?」
黒歌が不思議そうに、白音が銀術士に敵意を向けながら尋ねてきた。
「いや、銀術士の所為ではないさ。あ〜、なんと言えば良いんだろうな」
なんと言えば良いのか悩み、昨晩銀術士に言われた言葉を思い出して素直に告げる。
「黒歌、白音。約束を破る様な形になるが、オレの眷属にならないか?まあ今は候補だけどな」
「「眷属?」」
「そうだ。まあ、なんだ、昨日、お兄ちゃんと言われたのが存外
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