家族が増えるよ、やっt
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驚きながらも次々と魚を集めて岸に置いていく。
オレはオレでマントを使って薪を用意して火をおこす。更に十本の長い枝を尖らせる。
「いっぱいとれました〜」
「大漁、大漁にゃ」
二人が両手一杯に魚を抱えてやってくる。
「ああ。昼ご飯は焼き魚になるが良いか?」
「「うん」」
「なら焼き上がったら呼んでやるから遊んでな。少し時間がかかるからな」
「「は〜い」」
二人して川に逆戻りしていくのを見送りながら包丁を使って魚の腸を切り出していく。それが終われば先程作った串を突き刺してから塩を軽く振って火の近くに刺していく。ついでにここに来るまでに拾っておいた茸も焼いていく。
魚が焼き上がった所で二人を呼んでタオルを渡してやる。服を着直したら串に刺した魚をマントを使って渡してやる。
「熱いから気をつけろよ」
かき込む様に食べ始める二人を見て苦笑しながら新しい焼き魚を用意していく。新しく魚を串に刺していきながら、少なくなった薪を回収する為にマントを伸ばして拾っていく。その様子を黒歌が不思議そうに眺めている。
「どうかしたか?」
「前から不思議に思ってたんだけど、そのマントってなんにゃの?」
「こいつか?こいつは、なんと言えば良いんだろうな?あ〜、そうだな、オレの身体の一部と言っていいだろうな。さっきも言ったが家族間での仲が悪い原因だな」
「便利なマントにゃのに?」
「確かに便利だな。だけどな、オレは母親の中に居る頃からこのマントとブローチに守られる様に生きて来ているのさ。そしてそんな不気味なオレに嫌悪感や負の感情をぶつけた者達にマントが反応して切り裂いたそうだ。オレにはそう聞かされているが、マントが反応して切り裂いたと言うのは嘘だ。このマントはオレの強い意志とイメージと魔力によって初めて姿形を変えるからな」
「にゃ?」
「オレがまともにマントを変形させれる様になったのは2歳の時からだ。それまでは動かそうとも動かせなかったし、動かせる様になっても伸びたまま元に戻らなかったりしたからな。だけど、不気味だったのは間違いない。だからオレは家族から距離を置かれても何も言わない」
「……寂しくないのかにゃ?」
「なんだかんだで人間の知り合いは多いからな。それに今はお前達が居てくれるから寂しくなんてないさ」
「私も寂しくないですよ」
「「白音?」」
今の今まで焼き魚から目を離さずに居た白音がそう告げた。
「お父さんもお母さんも何処かに行っちゃったけど、お姉ちゃんが居るし、ゼオンおにいちゃんも居るから寂しくないよ」
「白音」
「……ゼオンお兄ちゃんか」
「駄目?」
「いや、いいさ。そう呼びたいのならそう呼べば良い。なんなら黒
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