二十四話 彼女
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「そんなんしなくても、普通に舞台に出てればいいじゃん」
なんとも冷たい反応である。
皆で一致団結ってのがいいんじゃないか。
それにしても、もうそんな時期だ。
あと半年も経てば原作開始。
昔は望んでいたが、今は全く嬉しくない原作。
もし原作の内容をあらかじめ知っている人間がいたら、なんていう二次創作を前世で読んだことが数回ある。
俺もそれと同じ状況にあるのだろう。
しかし、それらのことに必須条件である、完璧なチート力を俺は持ち合わせていない。
ペルソナすら召還出来ない今俺はむしろ弱者に分類されるだろう。
仮に出来たとしてもそのペルソナが補助系ならチートはできない。
あらかじめレベルを上げるという策もある。
しかし、ソロでタルタロスを攻略するのは無理だろう。
よくある、オンラインゲームでログアウトできなくなって、それがデスゲームになるのと同じ気分だ。
遊びのような感覚でシャドウに挑む気にはならないし、ソロなら死んだらそこで終わりだ。
助けてくれる人間はいない。
そして、そもそも原作介入をする気がない以上、特段強くなる理由もない。
しかし、原作の主人公は高校生活で最も楽しいと思われる高校2年生を、あんな多忙な日々で潰し、その上死んでしまうとは、なんとももったいないことだ。
まぁ原作が始まったら、主人公には悪いが俺は『原作介入』以外の本来の目的である『人生をエンジョイする』ことにしよう。
「彩君〜」
なんて色々と考えていたら教室の入り口から俺を呼ぶ声が聞こえた。
「ん?」
隣のクラスの誰かか?なんて思いながらそちらに顔を向ける。
「一緒に帰ろ?」
(・・・まじか)
いや、本当、この人はなんなんだろう。
「先輩・・・」
(くっそぉぉ!この人と仲良くしてると、周りの女子から彼女持ちだと勘違いされかねん!)
そうなると、長谷川さんと一緒に帰れる機会が極端に減ってしまう。
それだけは避けなければならない。
「今から帰るんでしょ?」
「彩・・・ついにお前・・・」
「違うから!この人はなんでもないから!」
いつになく取り乱しながら俺はそう、伊織に対して言う。
「いや、わかってる。あの人の表情を見ればな」
「伊織・・・」
わかってくれるか。
あの人が勝手に妄想しているヤンデ
「お前の彼女だってな」
キラーンと歯を光らせながら伊織が言う。
「お前・・・死ね」
「グフッ」
思いっきり伊織の腹にパンチを決めて、伊織が崩れ落ちるのを確認してから先輩の方へと向かう。
「友達と一緒でもいいですか?」
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