第九十三話
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「いかがいたしましょう、小父様」
グィネヴィアはそう、ランスロットへの相談を切りだした。
「愛し子よ、どうしたのだ?」
「今回、アレク王子が浮上させたアヴァロン。あの場へたどり着くには障害が多すぎるのでございます」
そして、グィネヴィアは障害を上げていく。
「まず、あの島に鍵をかけている迷宮の権能。そして、アレク王子ご自身に草薙さま。・・・ここまでは、事前に準備した策でどうにかなるやもしれません。ですが・・・」
「神代武双、であるな?」
「はい。彼は既に十を超える神より権能を簒奪しておられる神殺し。その彼が、手を出してこないという確証はございません。・・・草薙さまとぶつけあわせることも不可能でしょう」
「うむ、神代武双はいかなる神との戦いであれ参戦して来るであろう。余とも、戦うことを望むであろうな」
だが、と。
ランスロットは話を続けた。
「神代武双を相手するものがいれば、全てのカードがそろうのではないかな?」
「それは・・・どのようにするのでしょう?」
「今の我らは、余と愛し子だけではないということだ」
そう言いながらランスロットが海を見ると・・・風を纏い、船に乗って現れる神がいた。
「あのお方は・・・?」
「余と同じ、最源流の鋼に属する神だ。・・・いかがだろうか?我らに手を貸しはくれまいか?」
尋ねられた神は、船ごと二人に近づいてきて、
「・・・うむ。一つ、オレの求めるものを渡してくれるのならば、その神殺しはオレが相手しよう」
「それでこそ、最源流の鋼だ。・・・どうだ、愛し子?これでもまだ、不利であると言えるか?」
「いえ・・・小父様。一体いつこのお方と?」
グィネヴィアは、既にこの神の正体が視えていた。
「何、ただ偶然出会っただけ。彼がこの近辺をさまよっていたところに、余が出くわしたのだ」
「はぁ・・・ですが、助かりました。これでグィネヴィアたちは安心してアヴァロンへと向かえます。それで、あなたがグィネヴィアたちに求めるのはなんでしょう?」
「オレのための剣・・・鋼の武具だ」
そして、その神はその鋼の名を口にした。
◇◆◇◆◇
今、ボクは壇ノ浦に来ていた。
壇ノ浦の砂浜に座って、海を眺めている。
「はぁ・・・なんでボクは、こんなところに来ているんだろうか・・・」
いや、理由なんてものはない。
ただなんとなく、気の赴くままに飛翔したらここにたどり着いただけだ。
「・・・よっぽど、ボクはあの事を気にしているようだな。全く、ボクらしくもない」
あの時・・・武双君がウッコに勝利したときに現れた女。
あれはおそらく神祖だろう。そして、その神祖がボクのことを知っていた。
ボク
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