『流動する鋼』編
第九十二話
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けのこいつも俺をまっすぐ見返してきて・・・
「・・・ヒョウ」
ただ一言そう言って、砂になって崩れていった。
俺は、そこで背中に加わった重みから、完全にこの神が死んだことを悟り、治癒の霊薬を取り出して飲む。
腕が生えたのを確認してからテキトーにTシャツを召喚し、今着ているのを脱いでからそれに着なおす。
と、そこで光が反射してくるのを感じてそちらを見ると・・・地面に、古びた皿が落ちていた。
「これは・・・?」
こんなところに落ちているとも思えない皿。なぜか俺はそれにひかれて近づいていき・・・拾ったところで、権能を掌握するのを感じた。
なんで、このタイミングで掌握が・・・と、そこで俺はこの皿の正体に気付いた。
これは竜骨。無三殿大神が死んだ際に運良く残ったのだろう。そして、これに触れたことであいつの権能が刺激でもされたのだろう。
「さて・・・とりあえず、まずは・・・」
と、俺は気になったことを調べるために塩釜神社に向かった。
まずは、カンピオーネの名前を使って情報の開示からだな。
◇◆◇◆◇
「つまり、お前は何の確証もなく、ただ自分の勘でその神を鋼だと判断したのか?だとしたら、ここの代金はお前持ち、ということか?」
「あのな・・・塩釜神社に向かった、って言っただろ。ちゃんと調べて、可能性は高いと判断したんだよ」
そう言いながら、件の竜骨を召喚する。
河童の頭の皿。これがなかなかに使い勝手がいい。食事には使わないけど。
「その根拠は?」
「まず、猿の神が鋼となりえることは知ってるよな?」
「もちろんだ。孫悟空がいい例だな」
そして、猿が鋼となるのには鋼の武神の乗り物である馬の庇護者であることがあるのだが・・・
「無三殿大神の伝説には、馬の世話をしていた河童、というものがある」
「まるで孫悟空だな」
「ああ、俺も驚いたよ。さらに言えば、もっと孫悟空に似てくる伝説がある」
そう言いながら携帯をいじり、ある巻物の一部を撮った写真を見せる。
「これは?」
「一番古い無三殿大神の伝説。その姿が、一番古い無三殿大神なんだと」
「なるほど・・・確かにそれなら、この神は鋼であるかもしれんな」
猿、そして馬の庇護者。これだけの属性がそろっているのを、偶然と片付けるのは乱暴だろう。
「確かに、ためになる話だった。鋼の属性はほかにも様々な神に与えられている可能性があるようだな」
「ああ。それこそ、河童は川で遊んでいる猿を見た人が河童とした、というものまであるんだからな」
と、そのタイミングで入口の引き戸が勢いよく開けられた。
そちらに視線を向けると・・・そこには、護堂一行がいた。ほんとに日本に来て
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