『流動する鋼』編
第九十二話
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・・武双さん」
「ん?・・・ああ、明日香か。・・・って、ここ明日香の家?」
少し驚いたが、まあでも・・・都合はいいな。
「そうだけど・・・どうしてここに?」
「ああ、こいつが護堂にようがあるみたいで、ちょっと探してたんだけどな・・・どこにいるか、知らないか?」
「護堂?あいつなら、今は遠くに行ってるはずだけど」
「もうすぐ帰ってくるだろう。間違いない」
アレクがやけに自信たっぷりにそう言った。
こいつ、何かやったのか・・・?
「そう・・・それなら、うちの店で待てばいいよ。あいつが帰ってくるならどこから来るか、あたし、分かるし」
「あー・・・なら、悪いんだけど頼んでもいいかな?」
俺がそう言うと、明日香は分かった、と言って店を出て行った。
いい人なんだな・・・
「さて、そういうわけだから少しでも食べて明日香の家に貢献するぞ」
「それと、その神についての話だ」
「分かってるよ、それも含めて」
そう言いながらカウンターに座り、アレクも隣に座った。
その場でいくつか注文をしてから俺とアレクの周りに術をかけて、話し声が漏れないようにする。
「それで?その神は何という神なんだ?」
「無三殿大神。愛知県の塩釜神社に祀られてる河童の神だ」
「河童か・・・それが鋼として顕現したと?」
「正確には、鋼の可能性が極めて高い、だな」
そして、頼んでおいたものが二人とも来たので、それを食べながらあの時の話をした。
◇◆◇◆◇
ペガサスに乗った俺と、馬に乗った無三殿大神。
俺は槍を構えて突貫し、無三殿大神は水を剣の形にして突貫してきた。
結果として、俺は片腕が飛んだ。そして、無三殿大神は心臓を貫かれた。
それでもお互いに再び向き合い、二度目の突貫でお互いの馬が力尽きた。
そのまま地面に投げ出されたが、再び立ち上がって武器をぶつけあう。
何の工夫もなく、ただただ武器をぶつけあって・・・最終的には、俺の槍が再び心臓を貫き、新たに召喚した槍で首を貫いたところで無三殿大神が倒れた。
「ヒョウ・・・見事な技であった」
「そいつはどうも・・・あんたも、すごかったよ。ここまで心躍る戦いができるとは思ってなかった」
そして、一つ気になることがある。
「・・・なあ、お前が死ぬ前に一つ聞いときたいことがある」
「ヒョウ・・・内容によっては、答えてやろう」
「じゃあ・・・お前は、鋼の神なのか?」
「ヒョウ・・・なぜ、そう思う」
「お前の戦い方は、やけにまっすぐだった。剣と槍での打ち合いだって、河童らしい戦い方があったはずだ。それなのにお前は、水を固める以外で権能を使わなかった」
俺がまっすぐに無三殿大神を見ていると、死にか
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