暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
第九十一話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がに私が二回とも、はずるいような気もするし。

「と、言うわけでナーシャちゃんに任せるわ」
「何がというわけでなのだ!?大体、ボクはそんなこと・・・」
「そうじゃないの。私は、やらなきゃいけないことがあるみたいだから」

 そう言いながら立ち上がって・・・愛用の剣を召喚する。念のために、武双君が作ってくれた剣も。

「あら・・・グィネヴィアに気付いていらしたのね?」
「これでも、武双君・・・カンピオーネのお姉ちゃんだから」

 そう言ってから、私はいつの間にかすぐそこにいた女性に剣を向ける。
 この場にいる以上、ただの人のはずもないし。

「それで、ここには何の用で?」
「少しばかり気になるものが眼に入りましたので、確認に」
「私の可愛い弟が目的なら、手は出させない」

 そこで、魔術も使って万全の態勢を整える。
 後ろではナーシャちゃんが武双君の治療をしてくれていた。うん、それでいい。相手が何者なのか分からない以上、いざとなったら武双君の手を借りないといけないもの。

「今回の目的は神殺しではありませんわ。さすがに、グィネヴィア一人で神殺しに勝てるとは思いませんもの」
「それなら、何の用?それが分からないと私は警戒を解けないんだけど」
「そうですか。では、手短に・・・ねえ、あなた」

 そう言いながら送る視線は・・・ナーシャちゃんに、向いていた。

「ボクがどうかしたのかい?」
「ええ。人違いでなければ、ナーシャであっているかしら?」

 そこで、私もナーシャちゃんも息をのんだ。

「・・・確かに、ボクはナーシャだが・・・それがどうかしたのか?」
「あら、やっぱり。それなら、私のことは覚えていないかしら?」
「記憶にないな。人違いじゃないのかい?」

 ナーシャちゃんがはっきりとそう言ったから、私は二人の間に入った。
 それでも、この人は私に目も向けない。

「あら、そんなはずはないのだけれど・・・もしかして、記憶がないのかしら?」
「確かに、ボクは一度記憶を失っている。その頃の知り合いなのか?」
「そう・・・いえ、知り合いではなく・・・顔見知り、がいいところね」

 ナーシャちゃんの昔を知っている人・・・でも、確かナーシャちゃんは元いた組織の人が拾ったはずじゃ・・・

「それで、一番重要な質問なのだけれど・・・あなたは、その神殺しの味方なのかしら?」
「味方も何も、彼はボクの兄・・・家族だ」
「そう。それなら、仕方ないわね。記憶が戻るのが一番手っ取り早いのだけれど・・・」
「ん・・・ああ、俺、生き返ったんだ・・・」

 ちょうどそのタイミングで、武双君の目が覚めた。

「・・・神殺しが意識を取り戻したのなら、それは無謀ですね。いいでしょう、グィネヴィア
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ