黒い瞳
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治療から三日経ったある日、
『…ん……』
チョッパー「目が覚めたか!」
漸くムウマの意識が戻り、重たい躰を起こす。
チョッパー「まだ安静にしてなくちゃ駄目だ!」
と、彼女の躰を第一にベッドに押し戻す。
『…チョッパー…?』
チョッパー「お前、俺の事知ってるのか!!?」
弱々しい声で、彼の名前を呼ぶムウマに驚くチョッパー。
『(可愛いな〜)』
動く人形の様なチョッパーを見て、ムウマは小さく微笑む。
チョッパー「そうだ!サンジに栄養になる物作って貰わなくちゃ!!」
と、慌ただしく部屋を出た。
神様「吹雪…」
『お〜、リューク』
そこへ、心配そうな顔をするリュークが現れた。
『何か久し振りに感じる』
神様「ホントだよ。それより、躰大丈夫?」
『ん〜……まぁ…』
と、曖昧に答える吹雪。
サンジ「ムウマちゃん!大丈夫!?」
すると、今度はサンジが慌ただしく部屋に入って来た。
『(ヤバ…何か嬉しい)』
彼の慌て振りを見て、彼女は思わず笑みが溢れた。
サンジ「サンジ特製、栄養満点のスープをどうぞ」
床に膝間付き、彼女は躰を起こして皿とスプーンを貰う。
そして、ゆっくり口に運ぶ。
『美味しい…!』
サンジ「喜んで貰えて何よりだよ(微笑)」
と、ムウマの反応に、嬉しそうな顔をするサンジ。
『良いな〜サンジは。料理も出来て、イケメンで、その上強くて』
サンジ「何で、俺の名前を…!」
『好きだから?』
と、キョトンとした顔で答える。
サンジ「(こ、これは…!俺にも遂に春が…!!)」
ムウマの言葉に酔う様に、目をハートにするサンジ。
『…欲しいな』
サンジ「え…?」
ボソッと呟いた言葉をキャッチしたサンジは思わず聞き返した。
―ギュッ―
サンジ「!!!」
彼の手首を掴み、黒い瞳がお互いを映し、彼を見つめる。
『皆と暮らそう』
サンジ「えっ…」
意味深な台詞を言うと、ムウマの瞳が妖しく光る。
ナミ「目が覚めたんですって!」
すると、遮る様にナミが部屋に入って来た。
『スープありがとね(^-^)』
ムウマは、何も無かったかの様に掴んでいた手首を離した。
ナミ「どうかした?サンジ君」
サンジ「あ、いや…」
ナミ「そう?あ、ルフィがお腹空いたって騒いでたわ」
サンジ「そっか…。分かった。有難うナミさん」
そして、あの台詞が頭の中に残ったまま部屋を出た。
ナミ「サンジ君…。
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