提督、料理する
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「提督、失礼します。報告書を持って、あら?」
秘書艦である榛名が提督の執務室に入ると、何時ものテーブルに提督は着いていなかった。何処かに行ってしまったのだろうか?
「何処に行ったんでしょう?」
「お〜い提督〜。いい加減に遠征じゃなくて出撃させてく、ってあれ?榛名提督は?」
部屋に入ってきたのは良く駆逐艦達を連れて遠征へと向かう天龍幼稚園のお姉さん、天龍型1番艦の天龍だった。彼女はいつも海戦のことを考えている武闘派で、遠征ではなく出撃させてくれと良く提督に言いに来ている。今日も恐らくその件だろう。
「それがお姿が見えないんです。お散歩に行ってしまったんでしょうか?」
「ちぇっいい加減に出撃させてくれって言いに来たのに。ってん?なんか良い匂いしないか?」
天龍に鼻についた匂いは食欲に直接砲撃するような美味しそうな匂いだった。思わず喉を鳴らしてしまう。
「そう言われてみれば……奥からでしょうか?」
「奥って提督の個人スペースだろ?そこに居るんじゃないか?」
「あっそういえばまだ見てませんでした、行ってみましょう」
共に奥へと進み、提督の個人スペースの部屋のドアをあけると其処には………頭にバンダナを巻きエプロンをつけて楽しそうにフライパンを振っている大佐の姿があった。
「ん?おお榛名に天龍かい、どったの?」
そう言いながらも片手で酒のコルクを飛ばしてフライパンの中へと入れて、ハンバーグをフランベする提督。片手だというのに凄い手さばきだ。
「え、えっとその。報告書をお持ちしました、対深海棲艦爆裂砲の新着報告書です」
「おおそれはご苦労様、んで天龍はどうせ出撃の事だろ?」
「おう!いい加減に遠征じゃなくて出撃させてくれよ!戦いたいんだよ〜」
「んっ〜そうだね、んじゃ明日朝一番だけど出撃してもらう事になるけど良い?」
「よっしゃあ!感謝するぜ提督!」
出撃の許可がおりて嬉しそうに笑う天龍、そんな彼女を見ながら大佐はハンバーグに特製のソースを加えながら加熱を続ける。
「どう?一緒にご飯食べない?」
「えっ宜しいんですか?」
「良いよ〜料理は一人で食べるより他の人と一緒に食べる方が美味しいからねぇ」
「それじゃあご馳走になるぜ!」
座って待っててと言われてテーブルが置かれている畳の上に座る二人、目の前では提督が上手にフライパンなどを振りながら美味しそうな匂いを発散させながら料理を作っている。そして出来上がったのがこちら
ハンバーグデミグラスソース、卵スープ、サラダに白米がメニューとなっていた。
「おおっ!凄い美味そう!」
「ささ冷めないうちに食べちゃって」
「「いただきます」」
二人は箸を持ち提督が作った料理へと手を伸ばす。ハンバーグに箸を通すとすっと割れ
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