手荒い歓迎会
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うでもいいが……さっさと入らないか?」
「どうでもよくないよ!?」
そこに食いつくのか……。
「……過程に然程の価値はない。価値があるのは大部分が結果だ。今なお万難から守ってくれているなら問題ないだろ?」
どんなに綺麗事を並べようとも過程よりも結果が重視される。多少は考慮されるが、大きな結果が出れば過程での手段等、問われることはほぼない。
……俺がユウキを助ける際に取った手段も、ある意味人体実験。
世間一般にバレれば菊岡さんを初め、関係者全員の首が飛ぶことは明らかだ。
なぜなら大多数の一般市民は大衆原理と方向性の間違った正義を振りかざし、その暴力性と歪んだ正義によって、可能性の芽を潰そうとする。
例えば日本における捕鯨の外国からの批判であったり、原発問題における反対運動であったり……。
まあ、俺はそんなくだらない民衆の意見なんか知ったことではない。ただ、自分の信じた道を行くだけだ。間違っていたらキリト辺りが叩き潰してくれるだろうしな。
……とりあえず、今はレアを口三寸でごまかせればそれでいい。
「そ、そうだね。じゃあ、行こうか」
少々表情がバカっぽくなったレアの先導でその開いた隙間に入る。
その隙間は元々居た洞窟よりもさらに暗く、狭い。しかし、定期的に掃除でもされているかのように清潔感があった。
そして、その道を抜けた先にあるのは巨大な空洞だ。レア達、黒イウムの人々はその空洞に横穴を掘って生活をしている。
そんな巨大な空洞内だが、現在、かなり殺伐とした雰囲気が流れていた。
原因は俺とユウキを囲う武器を持った黒イウム達だ。
ちなみにレアは空洞について早々、母親と思わしき女性に連れ去られ、人垣の向こうでなにやら騒いでいる。
……レアに策略とかできないもんな。疑ってすまない。
「さて……どうするかな」
俺とユウキを囲う黒イウムの中で武器をこちらに向けているのは男女合わせて十五人。
その内十人は腰が引けていて、全く戦闘を行ったことがないことがわかる。
残りの五人にしても、多少は経験があることが伺えるが、構えがあまりなっていないし、そもそも強者の気迫というものがない。
それでも俺とユウキに対して武器を向けるというのは、実力がない故の無知か、こちらが武器を持ってないのと数の差が故の慢心か、はたまた身内への愛故の蛮勇か。
「この場所を知られたら生かしておけねぇ……殺さねぇと……」
短慮だな。
話し合いが重要だと思うんだが……。
もしくは会談に持ち込んでからの毒殺か不意打ちか。
「だが、女は生かしておけよ!」
あ、無知と慢心の方だったか。俺はその男の下卑な表情を見てそう思った。
「……ユウキ、無手
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