天秤宮の憎悪
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血塗れの欲望の本拠地である塔。
あちらこちらで戦闘が行われているこの塔のとあるフロアに、災厄の道化のマスター・ジョーカーはいた。
黒い玉座に腰掛け、魔水晶映像に映る光景を眺めている。
「マミー・マン、ザイール・フォルガ、セス・ハーティス、ルナ・コスモス、ヒジリ・ファルネス戦闘不能・・・か」
呟き、頬杖をつく。
災厄の道化から戦いに出たのは7人。
そのうち5人が倒れ、あとは2人しか残っていない。
「後はムサシ・・・それからシオ・クリーパーか。まぁ、シオがいる限り僕等に敗北はないだろう」
口角を上げる。
が、すぐにふっと真顔になり、右腕を横に振るった。
魔水晶映像が空気に溶け込むように消え、ジョーカーは立ち上がる。
「だが5人やられるとは・・・そろそろ僕が直々に妖精を潰すべきか」
暗闇の中で、黒髪が揺れる。
赤い右目と金色の左目が、笑うように細められる。
「クラッベ、フレシュ、ポワソン・・・そこにいるんだろう」
室内全てを見通せないほどの漆黒。
それを切り裂くように、光が零れ室内を照らした。
明るくなった室内で佇むのは、3人の少女。
「やっほージョーカー、マスターの命令で護衛に来たよっ」
東雲色の髪をふわふわとしたポニーテールに結わえ、露出度高めのエキゾチックな服装の少女が、パチッとウインクをする。
彼女は暗黒の蝶の1人、“巨蟹宮”クラッベ。
「護衛とか面倒なんだけどさー・・・ま、仕方ないか」
退屈そうに呟くのは、夜空のような色のフラッパーヘアに青い薔薇の飾りが所々にあしらわれたワンピースを纏う少女。
暗黒の蝶の1人、“人馬宮”を司るフレシュだ。
「わ、私に護衛なんて務まりませんよぉ・・・ジェメリィさんじゃダメなんですかぁ〜?」
オドオドと瞳を揺らすのは、淡い黄緑色の髪を緩い三つ編みに結わえ、胸元に大きめのリボンが付いた白いワンピースの少女。
暗黒の蝶、“双魚宮”のポワソン、通称“ポワ”である。
「説明したじゃん、ポワ。メリィはこないだ頑張ったから今回は休みなんだよ〜」
「だけど・・・私よりジェメリィさんの方が護衛に向いてますよぉ・・・」
「決まった事ぐじぐじ言ってても仕方ないでしょ。さっさと妖精潰して、ティア嬢使っちゃおう」
「だねっ!」
「あうぅ・・・」
自信なさげなポワソンをクラッベが叱咤し、呆れたような口調でフレシュが呟く。
それにクラッベが頷き、ポワソンはやはり自信なさげに俯いていた。
「ほらポワ!いつま
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