暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos27虚無の自由という名の鎖〜The Round table of Authority〜
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――・・・・顔は!?・・・ん?」

伸ばした手が空を切る。目の前に居るはずのリアンシェルトは居らず、そもそも今の俺はベッドの横になっている状態。体を起こし辺りを見回す。判ったのは造りからして本局の寮の一室で、誰かのプライベートルームであるということ。
体を起こしどうしてこんな状態になってしまったのかを考えるも、「ダメだ、判らない・・・」リアンシェルトに飛び掛かった時点からいきなりこの状態に変わったということしか判らない。とにかく現状を知らなければ。ベッドから降りようとしたその時。

「目を覚ましましたか、神器王」

「リアンシェルト・・・!?」

制服の上着を脱いでブラウス姿のリアンシェルトが姿を現した。ということは、ここはお前の部屋か。慌ててベッドから降りて、「っ!?」足に力が入らずへたり込んでしまう。

「俺に何をした・・・!?」

「解らないのですか? それならやはりあなたはそれまでの強さということですね。さ、目を覚ましたのなら帰ってください」

「はあ!? お前が連れて来たのだろうが! というか、俺に何をした!?」

何とか両足に力を入れて立ち上る。リアンシェルトは溜息を吐いた後、俺の身に起きたことを語った。俺がリアンシェルトに飛び掛かったその時、コイツは俺を凍結封印したのだ。そして氷像となった俺を自分の部屋に運んで解凍作業、それもたった今終わったらしい。
俺の心のうちに渦巻いていた怒りが全て吹っ飛び、それ以上の絶望が生まれた。解ってはいたんだ。今の俺では勝てないと。だからと言ってここまでの差があるのか? 魔力放出・術式発動を察知できず、凍結封印されたことにも言われるまで気が付かなかった。

「(氷像だった時に砕けば俺を殺せた。何故そうしなかったのか。答えはすでに聴いていた)・・・弱い者イジメはしない主義だったか・・・」

「・・・ええ、そういうことです。もし凍結封印を防いだり躱したり出来、封印を自力で解けた場合は、と思っていましたが・・・失格です。私の手に掛かって死ぬ価値があなたにありません。私以下の三機の手に掛かって死んでください」

リアンシェルトが、どうぞお帰り下さい、というポーズをしたため、俺はフラフラと出入り口へと向かう。そんな中、「八神家の今後の処遇は部下の、円卓の息に掛かっていないレティ・ロウランに任せますのでご安心を」そう聞かされた。

「嬉しい配慮、ああ、心の底から感謝します、リアンシェルト准将・・・!」

俺はそう言い放ち、「ハラオウン執務官に連絡を入れておきました。トランスポーターホールで合流してください」と言うリアンシェルトの言葉を背に聴きながら彼女の私室を後にした。
寮区画の階からトランスポーターホールのある階へと向かうためにエレベーターへと乗ったところで「というか
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