暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos27虚無の自由という名の鎖〜The Round table of Authority〜
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は意を決し声を掛けた。前を歩くリアンシェルトは振り返ることなく俺を二つ名で呼んだ。プツリと途切れる会話。俺は続けて「何が目的だ?」と問う。しかし返って来るのは無言。さらに「なぜ管理局に、しかも准将になるまで居るんだ?」と問いかけるものの、返って来るのはやはり無言。
「フェヨルツェンとレーゼフェアはどこに居る?」
次に救う目標としている2機の名前を言う。まずはこの2機を救い、そしてシュヴァリエル、次に目の前のリアンシェルト、最後にガーデンベルグ。これがセオリーだろう。リアンシェルトは「さぁ。どこでしょう?」返事はくれたが答えではなかった。
「お前たちエグリゴリは何を企んでいる。俺を、
現代に必要なき異物
(
アンスール
)
である俺を殺したいのだろ? なら今すぐにでも殺せるじゃないか。何故そうしない?」
「・・・・」
「っ・・・。聴いているのか、リアンシェ――」
「怖いのですか?」
「なに・・・?」
「私がそんなに怖いのですか? 私の記録では、神器王、あなたはそのように敵対者に対して息巻くような人間ではないようでしたが」
「俺・・・この私が、お前を怖れているだと?・・・そんな馬鹿なことが・・・!」
早鐘を打つ心臓。脂汗で背中に引っ付くシャツが気持ち悪い。そんな中で「図星ですか」心臓が止まるかと思ってしまうほどに冷めた声が俺の耳朶に響いた。違う。そう反論しようにも、実際に図星だったために声を出すことが出来なかった。今の俺では天地がひっくり返っても勝てない。その事実が俺を委縮させる。
「実に哀れで、惨めで、呆れ果てるザマです。・・・先程の質問に答えましょう。なぜ私が今あなたを討たないか。単純明快です。私には、弱い者いじめをする趣味はない、というだけです」
「あ?」
今、聞き捨てならないことを言われた気がした。
「バンヘルド、グランフェリア程度の機体に辛勝するような実力である現在のあなたなど、手を振るうだけで勝てます。全盛期の半分にすら至っていない最弱状態のあなたと戦うとなれば、それは正しく弱い者いじめ。ですから私は戦いません。私と戦いたければ、レーゼフェア、フィヨルツェン、シュヴァリエルを討ってください。ガーデンベルグの居場所は、万が一にも私に敗北を認めさせた際に教えましょう」
ここまでコケにされて黙っていられるほど・・・俺は・・・!
「リアンシェルトぉぉぉーーーーッッ!!」
一足飛びでリアンシェルトへと突進。
魔力炉
(
システム
)
の稼働率を上げて魔力に神秘を付加、魔術師化する。勝てないのは百も承知だ。だが、こんな生き恥を晒している俺にもちっぽけながらプライドというものがあるんだ。リアンシェルトがゆっくりと俺へと振り返った・・・。
「???・・・なんなんだ、お前のその
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