盗賊-フーケ-part1/板挟み少年一人
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しようもないわ」
ルイズはぐっとキュルケを睨んだが、ひるまず彼女もキュルケに言い返す。
「ふ、ふんだ!あんただってゲルマニアで男を漁りすぎて相手にされなくなっただけでしょ!だからトリステインにわざわざ留学までして、色ボケの癖にご苦労なことね」
すると、余裕の笑みを浮かべていたキュルケの目つきが変わる。
「へえ…魔法も胸も女としてもゼロなあなたが言ってくれるじゃない」
「何よ…本当のことでしょう」
バチバチバチと、二人の視線上に火花が走り出す。すると、会話に一度も入ってこなかったタバサが本から目を放して、ルイズとキュルケに一つ提案を出した。
「本人に選ばせる」
「え!?」
俺に振るの!?できればこのままほとぼりが冷めるのを願っていたサイトだったが、それもかなわぬ望みとなる。
「そうね。あんたの剣のことで揉めてるんだから。サイト、選びなさい」
「どっちがいい、ダーリン?」
サイトは必死に考え込む。この選択はいうなれば、ルイズかキュルケ、付き合うならどっちだ!?と尋ねられているようなものだ。
ルイズは容姿はなかなかサイト好みで、素直じゃない上に癇癪持ちで短気だが、モット伯爵へ自分が独断で向かった時は見捨てようともせず自分を助けようとする優しい一面がある。だがキュルケは目の覚める大人の美人女性といった感じ。彼女のような美人に好かれることは一生あるか無いか。
『なあゼロ、助けてくれよ…』
どうしようもないからって、ゼロに助けを求めてしまうサイト。男としてちょっと情けなく見える。
『あのな、お前がとっととあのデルフってのを選ばないから悪いだろうが。どうせ俺がキュルケの剣を捨てろとか言っても聞かないだろ?だったらお前が選べ』
案の定あっさりと一蹴されるサイト。タバサもこの選択の提示者だし、あの子はサイトを助ける義理もないから当てにできない。さあこれで後がない。サイトは考える。
―――どうする?どうするんだ地球人平賀才人!!
1.ルイズの買ってくれたデルフ
2.キュルケの買ってきた黄金の剣
カチッ、カチッ、カチッ、カチッ…。
時間と共に悩むことのできる時間が短くなっていく。すると、サイトはグワ!!と目が飛び出るほど刮目した。
(こうなったら、奥の手だ!)
奥の手、この危機的状況で聞くほどかなり魅力的なものに聞こえるだろう。しかし…。
「両方ともって、だめ?」
結局優柔不断なサイトだった。てへっとかわいく言うが全然かわいくない。両方という曖昧な選択を聞くや否や、ルイズはともかくキュルケまで怖い目つきでサイトを睨むと、二人同時に、とても対立する者同士とは思えないほど行きぴったりな、ウルトラゼロキック・またはある獅子の名を持つ戦士の『レオキック』顔負けの強烈な蹴りをサイトの顔面にお見舞いし
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