暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
盗賊-フーケ-part1/板挟み少年一人
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ルケはこの剣がなまくらだと知らず、あくまで自分へ好意的にプレゼントしてくれているから突っ返すというのも気が引ける。
「キュルケ、サイトが困ってるじゃない。そんな剣をもらったところで、もう剣は間に合ってるの。ねえサイト?」
「あ、うん…」
「ダーリンだってあの剣が欲しかったんじゃない?ルイズの買ったぼろ剣よりも役に立つはずよ」
「あ、うん…」
 どうしよう。二人の女性から贈り物をされたシチュエーションにどこか喜びもあったサイトだが、彼のようなごく最近までモテもしなかった男はこの対処法について考えないままなのが大変なな話だ。
『おいサイト、そんな役に立たねえ剣捨てとけばいいだろ?』
 きっぱり容赦なく捨てろと催促する、サイトと同化しているゼロ。容赦ない宇宙人だ。
『そうもいかないだろ。女の子がくれたものをないがしろにするってのはちょっとさ…』
いかにほぼ同年代に見えて外見・精神共に大人びて見えるキュルケでも、自分の与えたものを捨てられたりしたらいい気分でないのは目に見えている。
『バーカ、あれはお前の気を引くための餌でしかねーだろ。どうせ別の男が現れたら、すぐにお前から乗り換えるに決まってる』
 ゼロからすれば、どうせサイトとも遊びでしかないし、冷たくしたところでたいしたダメージにもならないと判断していた。
『それはわかるよ!それは。でも…もらわなかったらそれはそれで…なんかキュルケがかわいそうだろ?』
『ちっ。甘い奴だな』
 優柔不断な宿主に、ゼロは呆れる。といっても、これはゼロ自身現在の状況について全くの無関係な第三者だからできることである。
「まったく、嫉妬はみっともないわよヴァリエール」
 キュルケは勝ち誇った様子で言うと、ルイズはムキになって反論する。
「嫉妬ですって?誰がよ!」
「だってそうでしょ。サイトが欲しがってた剣を手に入れてプレゼントしたのが私だから嫉妬してるんじゃなくて?」
「だ…誰がよ!やめなさいよね!ツェルプストーからは豆の一粒だって恵んでもらいたくないだけだから!」
 ヒートアップする不倶戴天の敵同士の二人の言い争い。サイトはどうしたらこの状況を抜け出せるのか悩む。ふと、キュルケがくれた剣とルイズが買ってくれたデルフを見る。どうしよう…。黄金の剣をこのまま黙ってもらうことにルイズは間違いなく癇癪を起す。かといってキュルケが庭付きの屋敷を買えるほど高い金を払ってまで買ってくれた(実際はたったの500エキューだが)この剣を突っ返すことも気が重い。
「ほら、ごらんなさいな。サイトは私の剣を気に入ってるみたいよ」
 二つの剣を見て悩んでいるサイトを見て、キュルケは勝手に彼が名残惜しげに黄金の剣を見ていると判断した。
「これだからトリステインの女ってお堅いのよ。ヒステリーでプライドばかり高くってどう
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