盗賊-フーケ-part1/板挟み少年一人
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とは夢にも思わなかった。日食の光の向こうへ着いたとき、日食は終わっていた。私は戦友の姿を確かめようと明るくなった周囲の空を見渡してみた。だが、彼の姿はどこにもなかった。通信を行ってみても応答はない。
私は絶望した。あいつ一人だけ取り残されてしまったのだ』
この本を記した人物の機体はすぐに引き返してきたらしいが、もう一機は行方不明だと言う。いなくなったパイロットの名はどうしてか破かれていた。マナーの悪い客もいたものだ。
『私は死ぬその時まで、必ずあいつのいる異世界への道を突き止めてみせる。そして、もう一度あいつに故郷の大地を踏ませてやりたい。きっと一人孤独に異世界の空気を吸って故郷を恋しがっているだろうからな。
もし眉唾物臭いこの話を信じてくれる者がいたら、どうか…どうか私と共に、もし私が死した後ならばこの意思を受け継いで彼を故郷へ連れ戻してほしい。故郷を愛するために戦い続けてきたあいつを。かつてゴース星人に誘拐された私を救ってくれた誇り高き戦友「ウルトラセブン」のように…。
元ウルトラ警備隊 アマギ』
文章はそこで終わっていた。
SF臭い上にファンタジックさ溢れる果てしない話だったのだが、ハルナは決して悪い気持ちにさせられなかった。寧ろ、彼女の心に希望が芽生えてきたのだ。
(もしこれが本当なら平賀君は…!)
生きている!それも、異世界でだ!
しかし、いかに調べたとてサイトが本当に異世界で生きているかどうか定かになったわけではない。証拠もないままなのだから。だんだん彼女はこの異世界説に興味を沸かせた。サイトを一途に思うその想いは完全独奏、止まることを知らなかった。彼女はとにかく、異世界につながるものは何かないか、調べ上げていった。
そうすると、次に面白い話を発見した。
内容は、『宇宙で生まれ、宇宙に殉じた英雄』という約5年前の記事。記事を読み上げていくハルナだが、後悔した。今度の記事は、残酷な内容を孕んでいたのだ。
『バン・ヒロト。
享年18歳(推定)。火星で再出される資源『スペシウム』回収プロジェクトの参加者にして、プロジェクト責任者兼宇宙船『アランダス』の船長を務めた惑星地質学者「バン・テツロウ」の子。
突如発生したウルトラゾーンの誘引力によってアランダスが飲み込まれそうになった際、スペシウムを積んだ貨物へたった一人乗り込み、貨物船とアランダスと切り離し、貨物共々ウルトラゾーンへ消えた。その後、GUYSのウルトラゾーン調査によって遺品が発見。遺体は見つからなかったが、発見された辺境の星がレッサーボガールの巣窟であったため、遺体は捕食された可能性が高い。
火星で生まれ、地球の大地を踏めなかった悲劇の英雄。
ウルトラマンメビウスは地球来訪直前、この場に居合わせていたが、バン・ヒロト救出に間
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