盗賊-フーケ-part1/板挟み少年一人
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た時に入った時には持ってなかった荷物を抱えていたから、間違いなくあの人物が盗みを働いたことがわかる。しかし二次元でしか見たことのないような泥棒をこの目で見るとは思いもしなかった。
「?」
サイトの言っていたルハ○ンと言う単語に首を傾げるタバサ。するとルイズとキュルケの二人がサイトとタバサの下に駆け寄ってきた。怪我はなさそうだった。
「なあルイズ」
サイトはふと、さっきルイズが自分をかばうようなことをしてきたことを思い出して声をかけた。
「何?」
「どうしてあの時、俺を…?」
『別に守ってもらわなくてもよかったのにな』
『ゼロ、お前ちょっと黙ってろ』
空気の読めない言葉をぼやくゼロを、サイトは心の中で黙るように言う。
「馬鹿ね」
ルイズはきっぱりサイトに言った。その時のルイズが、夜の双月よりもずっと輝いて見えたような気がした。
「使い魔を見捨てるメイジは、メイジじゃないわよ」
一方で、破壊の杖の入手に成功したフーケは早速箱の中身を探る。やはり杖というには変わった形をしている。大きな鉄の筒にしか見えない。ためしに呪文を唱えて簡単なコモンマジックを使ってみる。だが、何も起こらない。探知(ディテクトマジック)で確かめてみても、魔力は一切感じられなかった。
「ったく、手に入れたのはいいけど、使い方がわからないんじゃあねえ…」
しかし彼女はここで一計を思いつく。ギーシュの決闘の際、彼に勝利したサイトである。
(学院長のジジィの話によると、あの子はあらゆる武器を使うことができたって話だ。なら…ちょっと賭けてみるか。このまま使い方も知らないままじゃ、売りさばいても高い金を期待できそうにないからね)
もうこの時点で、いや…その前からすでにお気づきになっている人もいるだろう。フーケは頭を包んでいたローブを脱ぐ。月光に照らされたその美貌溢れる顔…。
それはオスマンの秘書であるはずの女性教師、ロングビルだったのである。
フーケは、ゴーレムから降りてただの土の山にすると、ちょうど目についた近くの古びた廃屋に向かった。
しかしこの時、まさか彼女のすぐ下の地中にて、ある『脅威』が眠っていたことに誰が気づいたのだろうか。
『GULLLLLLL…』
猛獣の鳴き声のような、そんな音が彼女のいた遥か地下の地中から鳴り響いていた。
ドクン、ドクン…
「!」
その頃、とある森の奥の小さな村の小屋。そこに、以前サイトたちがモット伯爵の屋敷に向かった際、同じように現場にいたシュウがそこのベッドに寝ていた。壁には彼がもといた世界から所持していたものがいくつかある。ナイトレイダーの隊員服一式、ヘルメット、バイク。通信機パルスブレイカー。その他私服等。
すると、彼が部屋の机の上に置いていた白い短剣の宝
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