暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
盗賊-フーケ-part1/板挟み少年一人
[11/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
、サイトは床に転がった。




 最近トリスタニアで噂される、トライアングルクラスの泥棒メイジ、『土くれのフーケ』。
 彼女は主に貴族の屋敷、それも相当の成金や権力に縋る豚のような貴族の屋敷に忍び込み、そこの宝石・財宝・マジックアイテムを盗み出すことを生業としている。
 彼女は主に錬金の魔法で屋敷の壁・扉・床を二つ名の通り砂や粘土に変えてしまい、保管されている財宝を奪い取っていく。捕まえようにも神出鬼没なうえに、いざ戦闘に入って捕まえようとしても彼女は巨大ゴーレムを作り出し、複数の魔法衛士をあっさりと蹴散らしてしまう。だからここではすでに女性であることを明かしてはいるが、フーケの名を聞いたことのある者さえ、男性か女性なのかさえわかっていない。
 土のトライアングルクラスのメイジ、そして盗みを終えると『○○、確かに領収しました。土くれのフーケ』と明らかに相手を馬鹿にしているようなふざけたサインを残すのだ。

 そんな彼女だが、今夜の双月に照らされている魔法学院の中央の本塔の外壁を登っていた。長い新緑色の髪をなびかせ悠然とたたずむ姿は、まさに国を恐れさせる怪盗の風格を漂わせている。
「物理攻撃が弱点とか言う割に、やはり頑丈にできているね。固定化以外の魔法をかけてないみたいだけど、私のゴーレムじゃ穴をあけられないか…」
 錬金もゴーレムの攻撃でも宝物庫の突破は不可。歯噛みするフーケ。
(だからってここで『破壊の杖』を諦めるわけにはいかないね。あれだけのお宝は滅多に聞きもしない。珍しいものほど高く売れる。村で待ってる『あの子たち』のためにも必ず…)
 薄汚い私利私欲ではない、使命感を帯びたような目で彼女は宝物庫の壁を見下ろす。
 ふと、フーケは近くの塔で何か奇妙なことが起きているのを目にした。地上を見ると、見覚えのある生徒が三人、そしてもう一人黒髪の少年がメガネの少女の乗る竜から、ロープでぐるぐる巻きにされている状態でレビテーションの魔法で浮かされた後に塔から吊るされていた。
(あいつらは、確か…ゼロって呼ばれているヴァリエールの御嬢さんたちか。例の使い魔君もいるね。私が言うのもなんだけど、こんな時間に何しているんだい?)
 あそこはちょうど宝物庫の壁だ。あまり目につくと怪しまれる。見られないように彼女は、サイトたちに見られないよう物陰から覗き見る。
「悪かったよ二人とも…ちゃんと選ぶから、下ろしてくれよ…」
 吊るされているサイトは懇願するが、ルイズとキュルケは聞いていない。
「悪かったのは私たちの方よ。最初からこうすればよかったわ。ねえヴァリエール」
「そうねぇ、このやり方の方が一番はっきりするもの」
「いいこと、ルイズ。あのロープを切ってダーリンを地面に落としたほうが勝ち。勝った方の剣をサイトが使う。これでいいわね
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ