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魔法少女まどか☆マギカ 〜If it were not for QB〜
弐話 麗らか
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 『あ、おはよ……』
 『何しに来たの? 体育祭明日だよ、今まで何の準備もせずに何の練習もせずに本番だけ出るって言うの?』
 『そんな、それは本当にごめんなさいって思ってるけど……』
 『けど何なの!? あんたが抜けた穴埋めるために私らがどれだけ徹夜してがんばったと思ってるの!!?』
 『邪魔なんだよ。集団演技、お前無しの人数で作ったから』
 『また炎天下で動いてちゃ倒れるだろ。無理せず、ずっとテントの中にいたっていいんだから』


 「あ……え、ええっ!!!!?」
 「あ、良かったぁ……気が付いたんだね、ほむらちゃん」

 昼休み、暁美ほむらは保健室のベッドの上で過去の残像から回帰し現実に引き戻された。

 ほむらの前にはピンクの髪を二つにまとめたあどけない少女の笑顔がある。その両手はほむらの右手を優しく握っていた。

 「あ……貴方は……」
 「鹿目まどか、ほむらちゃんのクラスメイトだよ」
 「私、また倒れて……迷惑かけて、本当にごめんなさい」
 「あ、いいよいいよ。私保健係だし。こんな事でもないと仕事なくて暇だからね」

 まどかの気遣いにほむらはふうと息を付く。まどかは窓をもう一つ開け風を入れた。澄んだ爽やかな風が入ってくる。

 「それに……ね」

 まどかはほむらの方をみないで、窓の外に話しかけるように背中の向く方へ話しかけた。

 「私がこの学校で、ほむらちゃんの最初の友達だから、嬉しくって」
 「鹿目さん……」
 「まどかでいいよ、私もいきなり名前で呼んじゃってるし。迷惑かな?」
 「うっ、ううんっ!!! そ、そんなこと、無いです……まど、か……」
 「じゃあ決まりだね、ほむらちゃんっ」

 ほむらの返答にまどかは向きなおり、満点の笑顔でほむらに笑いかける。先程の夢は忘れられていた。

 「ねぇ、ほむらちゃん……私たち、前に何処かであったことあるかな?」
 「え……多分、無いと思いますが」
 「だよね。何かね、ほむらちゃんに似た女の子と昔会った気がするんだよね〜」
 「そんなこともあるんですね」

 やはりあの後ほむらがゲートをくぐってきたわけではないようだ。カマをかけてみたがどうやらそう言うことらしい。

 だが別に何の問題もなかった。このまま戦いのない日々の中を生きていける、まどかは一抹の幸せを噛みしめていた。

 ガラガラガラ……保健室の立て付けの悪い扉がうるさく喚き散らしながら開く。美樹さやかだった。

 「おっ、暁美さん……だっけ。元気そうで何より何より」
 「さやかちゃん、何しに来たの?」
 「つれないなぁまどっち。今日の放課後、恭介の見舞いに行こうと思ってるんだけど。一緒に行かない? 暁美さんもさ」

 まどかが恭介の存在をそっと耳
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