第二章
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っとも見ていないから」
「そうじゃないけれど」
「そうじゃなかったら馬鹿にした目で見てる。お母さんはコロなんかどうだっていいんだ。いや、いなくなってしまえばいいと思ってるんだ」
「それは・・・・・・」
言い返せない。息子に。こんなことを言われたのは夫にすらなかった。
「だからコロのよさがわからないんだ。コロはコロなんだよ」
「一樹・・・・・・」
「ソーニャとは違うんだよ。お母さんはそれがわかっていないんだ」
「それはわかっているけれど」
俯いてしまった。わかってはいるつもりだが。
「ソーニャと違うのはわかっているわ」
「じゃあ比べてるんだ」
一樹はまた母に対して言った。
「だからコロを嫌うんだよ。お母さんはコロのことわかろうともしていないんだ」
「そんなことはないけれど」
しかしその言葉は弱かった。
「あのね、一樹」
「いいよ、言い訳なんか」
息子の方が先に言った。
「コロのこと何もわかっていないのに。お母さんは間違ってるよ」
「・・・・・・・・・」
やはり何も言えなかった。息子の言葉がここまで堪えたのもはじめてだった。
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