第十一話 ハーレーの女その十三
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「小さくてな」
「一五〇ないわね」
大体だ、一四八位だった。裕香はその背を見た。
「小柄で可愛いわね」
「だよな、アイドルみたいだな」
「アイドルっていうか声優さんかしらね」
菊はどちらかというと、という感じでこの職業を出した。
「あの娘声も可愛いから」
「声優さんかよ」
「実は声優さんって小さい人多いのよ」
「へえ、そうなのか」
「そうなのよ、普通に一五五ない人が多いのよ」
「そうなんだな」
「声優さんのイベントとか行ったら思ってたより小さい人が多くてびっくりするから」
このことは明るいが真顔で話す菊だった。
「結構ね」
「何でまた声優さんって小さいんだ?」
「高い声だと小柄になるみたいよ」
「ああ、声優さんって声が高いからか」
「そう、何か声が高い人って小柄になる傾向があるのよ」
「それはまた何でだろうな」
バス歌手になるとかなり大柄な人間が多い、ワーグナーの作品は全体的に声域が低いがそのせいかワーグナーをメインに歌う歌手は背が高い者が多い。
その話をしてからだ、そしてだった。
薊はだ、あらためて二人に言った。
「それじゃあな、とりあえずは」
「ええ、今からね」
「あの娘に会おう」
「何はともあれそれからだよ」
薊は二人に対して言う。
「あの娘に声かけような」
「それじゃあ私がね」
裕香が二人に申し出た、そしてだった。
そのだ、クラスメイト達と明るく談笑している少女にだ、こう声をかけた。
「あの、王衝さん」
「あれっ、確かB組の」
「ええ、藤阪裕香よ」
「それに転校生の人と忍術部の」
「そう、それでだけれど」
「私に何か用事が」
「少しお話があるけれど」
裕香は緊張を隠せなかった、どうしても顔が強張る。この辺りはどうしてもいつも砕けている薊とは違っている。
だが、だ。その緊張と戦いながらこう彼女に言ったのだった。
「いいかしら」
「ここでは駄目ですか?」
「ええ、ちょっとね」
「じゃあ場所を変えて」
「そうだな、とりあえず話す場所は」
ここで薊が提案した場所はというと。
「何か飲みながらにするか」
「じゃあドリンクコーナーね」
菊が言った。
「明るく話そう」
「ああ、じゃあな」
薊は菊の提案に応えてだ、そしてだった。
四人は二年の校舎の一番近くにあるドリンクコーナーに向かった、そこでそれぞれパックの牛乳を買った、その牛乳をストローで飲みながら話をはじめた。
薊がだ、その少女向日葵に単刀直入に尋ねた。
「向日葵ちゃんでいいかな」
「ええ、いいわよ」
「じゃあこれからこう呼ばせてもらうな」
「わかったわ。それで私に聞きたいことって」
「ああ、いきなり聞くけれど気を悪くしないでくれよ」
薊は向日葵の明るい
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