装備企画課
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に座る――装備企画課課長シンクレア・セレブレッゼ少将は顔をあげた。
「なるほど。同盟が危惧を唱えているにも関わらず、アース社は一蹴したというわけだな」
「次の会議では、それを前面に出したいと思います。つきましては……」
「わかっている。次の会議には私が出向き、それを持って一刀両断すればいいのだな」
「それで八割は方が付くかと」
「残り二割は?」
「相手方次第ではごねる可能性も。もっとも、その場合には裁判にかければいいかと」
「――アース社は優良な顧客ではあるのだがな」
「優良ではありますが、唯一ではありません。そこが同盟の強み」
「それを持って、帝国に付くと言えばどうする?」
「脳波認証の不備を発覚させたのは帝国です。そのようなシステムを高値で売りこめるか現実を見せればいいかと。正直なところ――フェザーンのたかだか一企業ですからね」
「それをもってフェザーン全体が敵に回る可能性は」
「ないとは言い切れません。が……全面的な敵対はないかと」
「なぜ。そういいきれる?」
「フェザーンの地位は非常に危ういものです。同盟と帝国を天秤にして、ちょうど中立となるように調整しなければならない。つまり、帝国に天秤が傾き過ぎれば、その結果は何よりもフェザーンに向くのですから」
「ふむ……。わかった」
そう言って、セレブレッゼはしばし考え。
「よし。今の手を待ってくれたならば、その件は認めよう」
「ありがとうございます。では、次の手に私はC7クイーンでチェックメイトです」
「んん? あ……ちょ、ちょっと待ってくれ」
三次元チェスを前にして、セレブレッゼは頭を抱えた。
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