第五章
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ドの味も」
「つまりニュージーランドのうどんもあるということです」
浜崎はこう述べた。
「それでいいのではないでしょうか」
「それでいいのですか?」
「私はそう思います」
そうアレンに対して述べるのだった。
「それで」
「そういうものですか」
「日本だってそうですよ」
その日本のことを話す。紛れもない日本のことをだ。
「場所によって様々な味がありますし」
「そうなのですか」
「それは気付かれませんでしたか」
「はあ」
「それは」
ワンダも答えた。実は彼女もそこまでは気付かなかったのである。
「そうだったんですか」
「ええ、そうなんですよ」
浜崎は温厚に二人に語る。そこには嘘も偽りもなく本当の言葉があった。その本当の言葉を今二人に対して語るのであった。だからこそ説得力もあった。
「ですから」
「このままでいいんですね」
「そうです。このままより上を目指されれば」
「上を?」
「味です」
そのニュージーランドのうどんをすすりながら二人に述べた。
「味はもっともっとよくなりますよ」
「今よりもですね」
「果てがないものですから」
味についてはこう述べる。それもまた二人にとっては雷の様に衝撃的な言葉だった。それを聞くだけで何か別世界にいるようにさえ思えるのだった。
「ですから」
「このままこの味を極めていくと」
「その通りです。ニュージーランドのうどんの味を」
「わかりました」
アレンは聞いている方が気持ちのいい声で答えた。まるで雨空が急に晴れ渡ったかのように。爽やかな声で答えたのだった。
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