【ゼロの使い魔】編
018 トリステインの華
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こからともなく取りだした櫛で私の崩れた髪型を整えだした。
「んっ……」
私の髪を触る一つ一つのタッチはとても──壊れ物を扱う様に優しい手付きと櫛で私の髪がとかれる度に吐息が、意図していないのについつい漏れてしまう。
(……やっぱりサイトはズルいなぁ)
ユーノ曰く、惚れた弱みとでも言うのか、サイトになら何をされても良いと思えてしまう。
(今の私姫様に見られたら、姫様何か言われそうだわ)
それだけが少し心配だ。
SIDE END
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
SIDE 平賀 才人
アンリエッタ姫の行幸は恙無く終わって、今の時間はというと窓から見える双月が煌々と輝く時間帯になっていた。
「ん?」
「どうしたのサイト?」
(アンリエッタ姫。……恐らく、ルイズに何か用があるのか)
不意に聞こえた、聞き覚えの無い足音のリズムがこの部屋の前で停止したのを感じた俺は、その相手に不信感を覚え仙術でその足音の主の気を探ってみると、その正体はアンリエッタ姫。しかも、その後ろにはよく知った気配──何故かギーシュとユーノの気配も在った。
「どうやらルイズの幼馴染み様が来た様だ」
「どういう──」
ルイズが俺に鸚鵡返しをする前に扉から、独特なリズムでノックが鳴らされる。……恐らく、ルイズとアンリエッタ姫との共有の暗号の様なものだろう。ルイズは俺の言った事を理解したのか、驚いた様子で俺を見る。
「……そういう事ね。でもどうしてサイトは判ったのかしら」
「気配察知の真似事くらいは俺でも出来る」
「……そうよね。サイトだものね。それくらいお茶の子さいさいよね。……とりあえず、私が出るわ。言うまでも無い事でサイトも判ってると思うけど、姫様の御前ではくれぐれも失礼の無いようにしてよね」
「判ってるよ」
ルイズは驚いた表情から呆れた表情へとその表情を一変させると、徐にノックのした方向へとその足を進めてドアを開ける。
「……もしかして姫様ですか──」
扉の向こうに居るローブを纏う不信感バリバリの人物にルイズはおそるおそると問いかける──前にそのローブの人物はルイズへと抱き付く。
「流石ルイズ・フランソワーズ! こんなローブを被っていても一目で見抜いてくれるなんて流石私のお友達だわ!」
「はは、勿体ないお言葉です」
ルイズが自分との取り決めを覚えていてくれたのが嬉しかったのか、アンリエッタ姫はテンションを天元突破させている。……ルイズはそんなアンリエッタ姫に引き気味な愛想笑いをしている。
「ルイズ、今はプライベートですからそんなよそよそしい言葉を使わないで下さい。皆──枢機卿も母上も、欲に塗れ
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