暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
33 三日目〜Are you a werewolf.
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出すしかない。ある意味、今回は最も難しい議論になると思う。
僕はその四人の顔を見た。
お父さんはお母さんの死から立ち直れていない。暗い顔で、目にはまだ涙の跡が残っている。
イケさんはすっかり怯えてしまっている。あ、目が合った。
「ヒッ!」
イケさんは僕に疑われているのかと思ったようで、小さな悲鳴をあげられてしまった。
キョウさんは口を真一文字に結び、神妙な顔つきでいた。昨日、自分のことを脳筋と言ってた割には色々考えているようだった。
明希さんは目を閉じてウトウトしていた。夢の中で犯人の推理をしているのかもしれない。
「って、こんな時に寝ないでください。明希さん!起きてください!」
僕が注意しても全く起きる気配が無かった。
明希さんの隣にいるアリスさんが見兼ねて肩を揺すって起こした。
「ふぅ…くぁ〜…。ねみぃ…」
「はい」
「サンキュ、アリス」
アリスさんは明希さんに水が入ったコップを手渡した。端から見ると、まるで恋人か夫婦のようなやり取りにも見える。パルしい。おっと、電波が。
水を一気に飲み干した明希さんは眠そうに僕に質問した。
「それで…何を話してたんだ…」
「トウキお姉さんの能力でレノさんの黒確定。ワールさんの占いでアリスさんは白だっ……ああ!また寝ないでください!」
明希さんは再びウトウトして夢の中に旅立ってしまった。
「うーん、調子が悪いのかな…?…そうだ、皆さん朝食がまだですよね。軽くなら僕が作ります」
- third day / afternoon -
頭の中で考えているようで考えてないような変な感覚。だけど直感的に、ああ、寝てたんだなぁとわかる。
覚醒と催眠の間で気持ち良く微睡んでいると、後頭部に柔らかい感触があるのを感じた。いい匂いもする。
寝惚けたまま、無意識に気持ちよさを求めて少しだけ首をひねって頬でその感覚を楽しんだ。
柔らかいけど、程よい弾力があって何時までもこうしていたくなる。その柔らかいものから伝わる温もりは俺に安心感をもたらした。
しかし、一度覚醒に近づいたせいか起きたくないと思いながらも瞼が段々と開かれる。
虚ろな目にはどこかで見たことのある青色が視界一杯に広がった。
不意に天井を見上げるように首を戻すと金髪が目についた。
金髪に青色。この組み合わせはついさっき見た気がする。そう、例えばアリスとか…
「なっ!」
驚いて一気に目が覚めた。アリスが寝ながら俺を膝枕していたのだ。
俺はバッと飛び起きた。
「ふぁ〜…。良く眠れたかしら?」
俺が起きた気配でアリスも目を覚ました。
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