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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第52話 話される真実
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「何故お前が………」

そう小さく呟き、驚くレジアス。その声は若干震えが混じっていた。

「何故か………そうだな、部隊の皆の仇を討つ為に地獄の底から蘇って来たと言えばお前は満足するのか?」

ゼストは小さく笑いながら呟く。
しかしレジアスは相変わらず驚き戸惑っていた。

「………俺を殺しに来たか………ふん、かつての友に裁かれる最後なら悪くは無いかもしれん………」

何とか自身を落ち着かせ、俯きながらそう呟いたレジアス。
そんなレジアスに静かに近づくゼスト。
レジアスの胸ぐらを掴み、持ち上げて……

「ぐはっ!?」

そのまま殴り付けた。

「あなた何を!?」

オーリスが割って入ろうする前にゼストはレジアスに叫んだ。

「何をしているレジアス・ゲイズ!!お前は俺を裏切ってまでも地上部隊の事を考え、懸命に動いていたのだろうが!!今折れることは許さん!!礎になった者、俺の部下達にも示しがつかん!!」
「………だがワシは………」
「中将………」

そう項垂れるレジアス。そんな姿をオーリスは見た事も無かった。
しかしそんなレジアスを見てもゼストは態度を変えなかった。

「話も事情もスカリエッティから話を聞いている。失敗なんて昔からずっとして来た。俺もお前も全て思う様に進んだことは一度も無い、それでも俺達は前へと進んできた」
「………」
「それがここまで来て、折れるのか!?確かにお前は手段を選ばずに違法な事にも手を染める事も躊躇せずにむしゃらに進んできた。それによって俺達の様に犠牲になった者もいただろう。だがそれを全て踏み締めここまできたのだろう?それなのに何だこの体たらくは!!ふざけるな!!どんな事があっても諦める事は俺が許さん!!」

デバイスを展開し、首元に突きつけるゼスト。

「中将!!」

そんなゼストを止めようと、デバイスを展開しようとしたオーリスだったが、レジアスが制止させた。

「中将?」
「やり遂げろ。もはや今のお前を正しい道に戻すなどとも思わん」
「そう………だな………ワシは色んな事を手段を選ばずにやって来た………それが友を裏切ることになってもだ………」

理不尽な目にも、悔しい思いも、道を踏み外し、手を汚す事に嫌悪感を抱きながらもそれでも進んできた。

「そうだ、ここで引き下がるわけにはいかん………!!」

槍の穂先を手で掴み、自分の首元から離す。手から血が流れるが気にせず、ゼストを見て答えた。

「今更逃げることは許さん。お前は人生をとしてお前の理想を達成させろ。それがお前の出来る唯一の償いだ」
「ああ!!」

レジアスの答えを聞き、満足したゼストは部屋を後にしようとした。

「待て!!」

そんな制止の言葉を聞き、足を止めた。

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