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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第397話】
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 だから……だから! 君は野次に負けずに普段通り頑張るんだーーッ!!」


 喉が張り裂けんばかりの声でそう叫ぶ成樹の姿に、俺の目頭は少し熱くなる。


「そうだぜ、俺達もいるんだからな! ヒルト、頑張れよ!」

「わざわざ見に来てやったんだから! 少しは見返してやれッ!」


 反対側の観客席からも応援が届く――見ると、小学校中学校の男子同級生一団がそこにいた。

 それに手を振り、応えながら俺も規定位置へと到着する。


『さ、さて、選手の皆さんが出揃った所で、そろそろレースを開催します!』


 アナウンスがアリーナに響くと、規定位置にいた全員がスラスターを点火させて、各自高速機動用のバイザーを下ろした。


『……まさかこれ程までアンタって嫌われてるなんてね』

『そうですわ! 少しはヒルトさんの凄さを思い知れば良いのです!』


 鈴音、セシリアとオープン・チャネル通信での会話が届く。


『ふん。 日本人皆正しい判断だろう』

『――さっきのブーイング、凄かったけど一体どうしたんだ?』


 続いて篠ノ之、一夏と通信が――てか一夏はブーイングが俺に向けられたこともわかってなかったのか?


『野次、凄かったけど……ヒルトは平気?』

『戦場なら皆殺しだな。 我が嫁を非難するとは、命知らずも良いところだ』


 シャル、ラウラと会話が届く、手を上げて応えるだけに留めると、シグナルランプが点灯を始めた。


『日本政府、織斑くんが居ればヒルトは必要ないって思ってるらしいからね』

『少しはお兄ちゃんの凄さ、思い知ればいいんだ!』

『ヒルト、レースではライバルだけど……頑張ってね!』


 未来、美冬、美春の順で通信会話が届いた。

 シグナル二つ目が点灯――意識を集中させていく。

 そして――スタート開始のシグナルランプが緑に変わると、キャノンボール・ファスト専用機組のレースが始まった。
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